ようこそ!
今日はこんなことがあってね〜、あとねあとね……。高校ではクラスが別になってしまったアリスちゃんとリョウくんに今日あったことを電話で話すとアリスちゃんは編入生と一緒のクラスが羨ましいとふてくされて、リョウくんは相変わらず興味がなさそうだった。二人とは別々になってしまったけれどよく顔を見せに来てくれるし、話し相手になってくれるしすごく嬉しい。やっぱり持つべきものは友達だ〜とぼんやり考えているとなんだか外が騒がしい。扉を開けてみてみると丸井くんの部屋からだった。
 「……」
 ああ、歓迎会やるって言ってたな〜。私も参加しようと思ってたけれど電話してたから、一色先輩が気を使ってくれて終わったら是非きてねと手を振っていた。んー、それにしても長電話しちゃったし今から参加するのもアレかなぁ?そう考えながらぼうっと部屋を見渡してみると大切に立てかけてあるソレを見つけ、一瞬で閃いた。
 「これだ!」



 「創真くんどうしたの?」
 キョロキョロと辺りを見渡していると田所と目があった。俺の行動が不思議だったのか頭を傾けて尋ねてくる。
 「いや、大丈夫」
 そう言いながらもキョロキョロと辺りを伺うがやっぱりそこに名前の姿はなかった。
 ここの寮にいるって聞いたんだけどなー。今日は歓迎会参加しないのかな?そう考えるとちょっと寂しい気もする。せっかく仲良くなれたのにという気持ちとライバル心。残念に思っていると、聞いたことのない音が耳に飛び込んできた。
 「おや、名前ちゃんが来たね」
 裸エプロンの一色先輩が微笑む。
 「おせーよ」と伊武崎が笑う。他にも多種多様な反応を見せながら、みんなこの音に耳を傾けていた。
 「な、なんすかこれ?」
 「創真くんはアコーディオンって聞いたことないのかな?」
 「アコーディオン?」
 「うん、蛇腹楽器の一つで鍵盤ハーモニカに音が似てる楽器だよね。名前ちゃんは料理をする前アコーディオンでお金を稼いでたんだって」
 「へぇ」
 名前ってスゲー。
 「日本ではあまり見ないけどフランスでは演奏してる人をよく見かけるらしいよ」
 「そうなんすか」
 携帯でアコーディオンって調べてみると、たしかに日本でこれを演奏してる人はあんまり見かけないなと思った。
 「あ、これCMで聞いたことある」
 「うん、これは『オ・シャンゼリゼ』だね。名前ちゃんも創真くんを歓迎してくれてるんだよ」
 一色先輩はふふと笑って部屋の扉を開けた。そこにはアコーディオンを奏でる名前がいた。
 「オーシャンゼリゼ〜」
 「オーシャンゼリゼ〜」
 吉野や丸井、わりとクールな榊まで肩を組んで歌っていた。
 「いつもなにか〜」
 「すてきなことが〜」
 「あなたをまつよオ・シャンゼリゼ〜」
 「ようこそ創真くん!極星寮へ!」
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