C'est si bon.
「パリから来ました、四宮名前です!フランス人ですが、日本はファミリーネームがないと何かと不便だと聞いたので、敬愛する師匠のネームを借りました!3年間どうぞよろしく!」
ぱちぱちぱちと拍手が沸く。日本人はすごく丁寧だ、それに「日本語上手だね〜」とよく褒めてくれる。いい人だ。それに意外と私みたいな留学生がちらほら見受けられる。そこの白い子はハーフって言ってたし、黒い子は北欧人らしい。この学校は世界的に有名な料理学校で、世界中から色んな人が集まってくるらしい。小次郎はきっとこの世界中から集まるココで色んなものを吸収して、いっぱい旨いもん食ってこいって送り出してくれたんだ。いい人だ。飛行機で見送ってくれたときの小次郎の顔を思い出す。ふふ、なんか少し苛ついてたけど思い出したら笑っちゃうな。クスクス笑ってると、前の席の子があら?と話しかけてきた。
「何か楽しいことでもあったのかしら?」
「?」
「アリスよ!薙切アリス!」
「アリスちゃん……」
「そう……隣の黒い子はリョウくん!私の側近なのよ」
「リョウくん……」
「ふふ、よろしくね名前」
「ッス」
「よろしく!あの、初めて友達できたから嬉しい!それにリ、リョウくんはすごく日本語うまくて羨ましいなぁ」
「……名前もちゃんと喋れてる」
「ほんと!よかった!日本語の相手は小次郎しかいなかったから」
くすくす笑うと不思議な子ねぇ!とアリスは笑った。アリスって発音しやすいなぁ。
*
拝啓、四宮小次郎様。拝啓とか使えるようになるほどには日本語が上手くなりました。それに日本の学校だけどいろいろな国の人がいて毎日刺激を受けています。小次郎の言いつけ通り毎日欠かさず料理をしてます。たまにアリスちゃんや、リョウくん(初めてできた友達)が味見をしてくれていろいろアドバイスをくれます。あと、小次郎が5年間みっちり教えてくれたことが役に立って授業では毎回A評価貰ってます。流石小次郎だと思いました。あと、シャペル先生?が私の名字を聞いてビックリしたと話しかけてくれました。四宮小次郎の縁者か?と聞かれたので、一番弟子です!って答えておきました、ビックリしてました。それとそれと……。
名前から来る手紙を一通り読み終えてパタリと閉じた。一番弟子って、お前を弟子だと思ったことねぇよ。怒りに任せて手紙を握り潰しそうになったので、悲惨なことにならないよう引き出しの中にそっとしまった。あいつはアイツで元気にやってんのならそれに越したことはねぇ。
ーーそれとそれと、次の長期休みには必ずフランスに戻ります!今までは小次郎のルセット通りに料理してたけど、初めて自分で新しいものを作ってみたので、一番最初に是非小次郎に食べてもらいたいです!
では、お体に気をつけて、たまにおばあさんに小次郎のご飯を食べさせてあげてください。
一番弟子の名前より。
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