父さんは死んでしまい母さんもいない。そんな俺を支えてくれたのはミヅキだった。

おれの生まれた世界ではバラモスという魔王が人々を闇に陥れていた。魔王に怯えて暮らす人々を純粋に救いたかったし、もしかしたら父さんに会えるんじゃないかって思って旅に出た。…母さんをひとりにするのは辛かったが。でも平和な世の中になれば、父さんに母さんにおれがいて幸せに暮らせると思っていた。

だが…バラモスは実はゾーマの配下にすぎなくて、本当の敵はゾーマだった。そのゾーマさえ倒せば平和な世の中になって幸せに暮らせると思っていた。のに、

「戻れないとはな……」

上と下との世界を繋ぐ穴は塞がってしまい二度と戻ることはできなくなった。それを悟った時の俺は本当にひどかった。いつだって一緒に支えあってきた仲間にさえ当たる始末だ。…もちろんミヅキにも。

でもそんな俺のそばにミヅキはずっといてくれた。時折傷ついた表情をしながらもずっとそばにいてくれた。「きっと戻れる方法があるよ」そう言うミヅキの言葉を最初は気休めだと思っていた。だけど、俺と同じようにミヅキにだって離ればなれになってしまった大切な人がいて、辛いのは俺だけじゃないんだと気づいた。ミヅキだけではない、他の仲間も。ミヅキはそんな中で戻れる方法があると本気で信じていて、気がつけば俺も仲間たちも前向きに、戻れる方法を探していけるようになった。俺が変われたのはミヅキのおかげで、こんなに愛しいと思えたのはミヅキがはじめてだった。






「ミヅキ、好きだ。って言ったらどうする?」

「えっ、えっ!いきなりどうしたの…」

「なんとなくだ」

「ビックリだよ。……でも嬉しいと思う」

頬を染めながらそう言うミヅキは本当に可愛い。女の子にこんな感情を持つなんて今まで一度もなくて。…こんな世界でもミヅキがいるから生きていける。ミヅキにとって俺もそんな存在であってほしい。

・・・
my little world
それは君と僕の世界
title mutti/111011

乙女座のユニコーン