ずてっ
「痛っ!!!」
つまずいて転んでしまった。思わずキョロキョロと周りを確認する。…良かった、誰も見てないみたい。見られてたら恥ずかしすぎる(転んだあげく思わず叫んじゃったし)ホッ、とため息をついた。…のもつかの間
「大丈夫か!ミヅキ!」
「えっ!アレンくん?!」
尻餅を未だついたままのわたしのもとに薬草を握りしめたアレンくんがやってきた。…見られてたのかあー!
「これ、薬草。今すりつぶすから待っててくれ」
「は、はい…」
穴があるなら入りたくて仕方がなかったけど不器用な手つきながらも懸命に薬草をすりつぶしてくれてるアレンくんを見てたら、うって変わり泣きそうになってる自分がいた。…なんでいつもそんなに優しいんだ…!
「…アレンくん、本当にいつもありがとうね」
「気にしないでくれ。俺がやりたくてやっていることだから」
爽やかに微笑むアレンくんが格好良くてなんかもうどうしていいかわからない。わたしはただただ顔を赤くする。
「それにミヅキは戦闘終了後に俺に回復呪文をかけてくれる。おあいこだ」
「でもわたしの勘違いでなければアレンくんこそいつも戦闘の時わたしのことかばって戦ってくれてる、よね?」
「…気づいていたのか」
「…うん」
なんとなくだけどわたしが危ない!と反射的に目をつぶってしまいそうになる時、いつもアレンくんの背中が目の前にあった気がしたから。わたしをかばったせいでアレンの体に傷ができていくのがつらかった。自分のことより、他人。アレンくんはとても強くて優しい人なのだと思った。そしてわたしのためにアレンくんが傷ついていくのが申し訳なかった。
「なんだか俺…ミヅキから目が離せないんだ」
「えっ!」
「危なっかしくて」
「あ…うん(そっちか)」
…一瞬ドキリとした。それにしても危なっかしすぎて目が離せないってわたしどんだけ心配させてるんだっちゅー話ですよね。…うん、ますます申し訳ない。
「ごめんね、いつも心配させて。もっともっと強くなれるように頑張るから」
「ああ、俺も鍛錬に付き合おう」
ただ、俺はミヅキが強くなろうとも目は離せないと思う。お前がなぜか気になるんだ。アレンくんがほんのり頬を赤らめながらそう言うものだからわたしは今度こそ言葉を失ってしまった。きっとアレンくんは無自覚なのだろうけれど。
・・・
120603/title 氷上
乙女座のユニコーン