アレルくんが生きていた。それだけでも嬉しかったのに今こうしてわたしの元に来てくれた。これ以上のことがあるだろうか。

「ゾーマという敵を倒した時、俺の旅も終わりかと思った。けどまだ終わっていたわけではなかったんだ」

アレルくんによると神竜と戦って勝ったときに願い事を叶えてくれると言われたらしい。「なんて願ったの」「父さんを行き返らせてほしいって」…アレルくんらしいなって思った。自分を元の世界に帰してほしいと言うこともできただろうに、あえてそうしなかったのはアレルくんが優しいからだと思った。…あれ、でもそうしたら何で

「アレルくんはどうしてこっちの世界にいるの…?」

だって2つの世界は完全に行き来できなくなったってこの前兵士さんが言ってたし…(それを聞いてわたしとアレルくんのお母さんが大泣きしたのは別の話だ)

「…神竜に言われたんだ。ミヅキのことを」

「えっ?わ、わたし??!」

なぜにわたし?頭の中は軽くパニック状態だ。だってわたし神竜に会ったことないのに…。そう言ったらバカかと言われた(ひどい)

「俺の生まれた街で、俺を想って泣いている少女がいるって…」

「……」

「だから特別だって言われて父さんと一緒にこっちに帰ることができたんだ」

ありがとうな、俺なんかのために。そう言って頭を撫でてくれるアレルくんは旅立つ前よりだんぜん大人になっているように感じて泣きそうになった。年は1つしか離れていないのにわたしがすごく子供みたい。でも、それ以上に今は感動の方が勝っていた。

「アレルくん…わ、たし…」

「…ずっとそばにいてくれないか」

「…えっ!」

「またミヅキの元へ戻ってくることができたらずっと言おうと思っていた。…結婚してほしい」

驚いた。だってまさかこんなこと言われるとは思っていなかったから。なんだか嬉しいやら何とも言えない気持ちでドキドキがやまない。アレルくんが冗談でこんなこと言うはずもないって知ってるし…。それにわたしの返事も言うまでもない。

「もちろん…!」

大好きな人が生きていて、そしてプロポーズ。わたしは今日何回彼に驚かされ、喜ばされたのだろう。

・・・
120426 / title:無垢

乙女座のユニコーン