「デュオー…」
「うん?どうした」
「まじやばいんだけど…どうしよう」
何がやばいかというともうすぐセンター試験の本番なのだ。今のこの瞬間も含めて受かるため一生懸命勉強してきた。けど、わたしと同じように全国各地で頑張ってる子はやっぱりたくさんいるしと思うし頭のいい子ばかりなんじゃないかな。一度考え出すとわたしの頭のなかは被害妄想でいっぱい。考えたって無駄なことだってわかっているのに。
「あー…センター試験か?」
「うん。一応頑張ってるんだけどあと2、3日しかないと思うとどうしても不安になっちゃって…」
「…ミヅキでもナイーブになることってあるんだな!」
「おい」
ナイーブにもなるわ!だって大学はわたしの夢をかなえるために行く場所だもん。それで落ちたら浪人かニート…。まじで笑えない。
「わたし分かってるんだけどね…全力を尽くすだけだって。だけどそれってすごい難しいよね…」
「まあなぁ…」
…あ〜あ、気分は沈むばかりだよ…。なんとなく寂しくなって隣にいるデュオの腕に頭をぐりぐりと押し付けた。なんとなく。
「おわっ?!なんだよ、ビックリした」
「…なんか人の温もりがほしかったんです」
そう言って次はデュオの足の間に座って思いっきり後ろにもたれるわたし。デュオの匂いと暖かさが感じられてわたしのすごく好きな格好。後ろからうえっ、とか聞こえたのはたぶん気のせい。
「おまっ、いきなりもたれんなよ!内臓飛び出るかと思ったぜ」
「あらまあ」
「…はぁ。悪いと思ってねぇし…」
でも本当にこれ安心して好きだなあ〜。これだけでちょっと元気出てきたもん。…わたしって単純かもしれない。
「…ミヅキ」
自分の世界に入っていたわたしの意識をデュオの声が遮る。どうしたんだ、そう思い後ろを見るとデュオは心配そうな顔をしていた。
「デュオ…?」
「あのなミヅキ。俺はお前が試験当日、全力を出しきることが一番大切だと思ってる」
「う、うんっ」
「受かるにこしたことなないが、落ちても安心してくれ。おっ、俺の…おおおおおお嫁さんん…って就職先もあるんだからな!!!」
「…ぅええええ!!お、お嫁さん…?」
あまりにも驚きすぎて変な声が出てしまった…!デュオを見ると顔はとても真っ赤。
「なっ!恥ずかしいから口に出すなよ!ていうか見んな!!!…とにかくっ、俺が言いたいのはだな…全力を出しきってくれってことだ。どんな結果になってどんな道を選ぶことになっても俺はミヅキのそばにいるぜ」
「…ありがとう」
…わたしはなんて素敵な彼氏を持ったのだろうか。デュオの言葉に胸のあたりがポカポカして目頭が熱くなるのを感じた。こんなにもわたしをそばで支えてくれてる人がいるんだ。わたしが逃げてちゃダメだし、すごく幸せなことなんだ。それを教えてくれたデュオが愛しおしくてたまらなくて頬にキスをした。そしたらますます真っ赤になって可愛いかった。まあしかけたわたしの顔も真っ赤なのだけれどね。
「してやったり!」
「お前も真っ赤だろーが!」
・・・
title 襟足
マシュ麻呂さんへ捧げます!
乙女座のユニコーン