カトルくんが戦争を終わらせるために、平和な世の中を作るために頑張ってるって分かってる。自分も死ぬかもしれないのに、それでも闘い続けるパイロットたち。…優しすぎるんだよ、みんなは。

「…寂しいなあ」

カトルくんとは一体どれくらい会っていないだろう。もしかしたら半年くらい立ってるかも。きっとカトルくんのことだから自分と会うことでわたしが危険に晒されるとでも思っているんだろうな。わたしは会えないほうがずっとずっと苦しいのに。





「ミヅキ、久しぶりだね…!」

天気のよいある日。ベンチで本を読んでいたわたしにかけられた声。思わず耳を疑った。だってこの声は…わたしの大好きなあの人の声だから。間違いない。

「カトルくん!!」

俯いていた顔をあげてみればそこには予想通りの人物、カトルくんだった。
久しぶりに見たカトルくんは前よりたくましくなっていて、でも優しい笑顔はそのままだった。

「…長い間会いに来れなくてごめん。でも僕がミヅキに会いにくることで君に迷惑はかけられなかったんだ」

「…大丈夫だよ」

やっぱりカトルくんはそう考えてたんだね。遠くにいてもわたしの身を案じていてくれて。本当に優しい人。カトルくんに会えて、今まで抱えていたどうしようもない寂しさが一瞬でとんでいってしまった。


「…僕は平和のためにまだ闘わなくてはならない。寂しい想いをさせていることも分かっている。闘いもいつ終わるか分からない。それでも…君は僕を待っていてくれるかい」

そんなの答えは決まってる。

「…わたし待ってるよ。…でも絶対死なないでよ。これだけは約束してほしい」

カトルくんが死んじゃったら平和な世になったって意味ないもん。…カトルくんがいない平和だなんて嬉しくない。

「ありがとう…。約束する。死なないよ、絶対に…」

ぎゅっ、痛いほどにカトルくんに抱きしめられてそれが心地よかった。カトルくんをすごく近くに感じられて。

「頑張ってね」「ミヅキも頑張るんだよ」

「もちろん!」

「…迷惑だとわかってもミヅキに会いにきてよかったよ。今日はありがとう」


またすぐに闘いが始まるらしく、カトルくんは再び戦場へと向かっていった。
…それにしてもずるい。最後にあんなこと言って帰っちゃうんだもん。さっきまであったはずのぬくもりが消えてしまってなんだか寂しいけど、少しの間でもこうして会いにきてくれて、話せただけですごく嬉しかった。帰ってきたときはまたわたしをぎゅっと抱きしめてほしい。一緒にやりたいこと、話したいこともたくさんある。わたしには待つことしかできないけど、ずっとここでカトルくんの無事を祈ってる。だからどうか、死なないでね。

・・・
120202 / title 無垢

乙女座のユニコーン