いまが戦争真っ最中で外を出歩くことが危険だなんてわかってる。でもデュオが地球に戻ってきたって聞いていてもたってもいられなくなって、会いに行った(だって半年くらい会ってなかったんだもん)
街に着いたらデュオは大きなトラックに乗っている少し前髪に特徴のある少年と話していた(デュオもかっこいいけどこの子もなかなか…っていかんいかん!わたしはデュオ一筋なのだ)
「デューオ!」
「ぅえっ?!…ってミヅキ?ミヅキじゃねぇか。いや〜驚いたぜ!」
「うふふ、まあ驚かせようとしたからね」
デュオの背後から肩を叩き名前を呼んだらなかなかいい反応をしてくれ、少しどや顔をしてみる。そうすると「なに偉そうな顔してんだよ」と言われて小突かれて少し痛かった。
「デュオのお友達ですよね?わたしはミヅキです。よろしくお願いします」
デュオとの絡みを一旦切り上げて、トラックの男の子に声をかける。…近くで見るとほんとに顔整ってるなって思った。
「あぁ。俺はトロワ・バートンだ。よろしく」
「うん、よろしく!」
「ミヅキはこの街の住人か?」
「ううん、違うよ。ここから2〜3キロ離れたところに住んでるの」
「そうなの「そうだ!ミヅキおまえなあー!」
「ぃっ、ビックリした…。どうしたの?デュオ」
トロワくんと話してたらいきなりデュオが大きな声を出したものだから驚いた。トロワくんも少ーしだけ(ほんとに少しだけ)驚いているように見えた。
「おま…危ないだろうが!この辺はモビルスーツが現れたりすることはないと思うが…戦争中だぞ?」
「うっ、絶対言われると思ってたけどやっぱり……。すいませんでした」
どう考えてもわたしが悪いから素直に謝る。前々から遠くまで出歩かない、どうしてもなら誰かと一緒に。って言われてたから。…うん、わたしが悪い(しかもひとりで来ちゃったし)けど、デュオに会いたかったんだもん。だから悪かったとは思ってるけど間違ってたとは思わない。
「…何かあってからじゃ遅いんだからな。次からは気をつけろよ!」
「は〜い。…でもさ、デュオも地球に帰ってきても教えてくれないからわたしから会いにいってるんだよ?だからわたしだけが悪いわけじゃないよ…」
出歩かないでほしかったらわたしの家まで顔を見せにきてくれればいいのに。会いにきてくれないのに出歩くなって過保護なこと言ったり。…行動と言動が矛盾しててわけが分からない。
「…それは、その…」
「会ってしまうと宇宙に行くのが嫌になってしまうから、か?」
「!」
「お、おい…トロワ」
「俺も姉さんがいるからな。気持ちは分かる」
「どうなの、デュオ?」
「……あぁ、そうさ。会ったらずっとミヅキと一緒に居たくて戦いに行きたくなくなっちまう」
でも、お前は教えなくても俺が帰ってきた時会いにくるだろ?そう言ったデュオが少し切なそうに見えてわたしは何も言えなかった(そんなことを考えていただなんて、わたしは何も分かっていなかったから)
「ごめん、デュオがそんな風に考えてるなんて知らなくてわたし…邪魔してたみたいで…」
「!
そんなことねぇよ。ミヅキが俺に会いにきてくれて嬉しいと思ってる。俺こそ…悪かった。ミヅキも寂しかったのにな。…ごめん」
「…ううん、わたしたちお互いさまだよ。だからあやまらないで」
「…ありがとな」
デュオの本音が聞けて心の中のモヤモヤがとれた気がした。ふたりのすれ違いの理由もお互いのことを思ってのものだってわかったし、安心した。
「それでお前たちはこれからどうするんだ?」
「え!…えーと」
「…帰ってきたら俺がミヅキの家まで行くようにするよ」
「で、でもデュオにはやることがあるし……」
「いーや、大丈夫だ。俺が会いに行かねぇとミヅキが寂しくて死んじまうしな!」
「な、何言ってるの」
でもそれもあながち間違いではないかもしれない。デュオと会えなかったらやっぱり寂しい。…デュオは本当に優しい。自分の方がずっとずっと戦争でいっぱいいっぱいなはずなのに、わたしのことを優先してくれる。そんなわたしがデュオにしてあげられることと言ったら、デュオがまた頑張れるように疲れを癒やしてあげることだと思う。美味しいご飯を作って洗濯もしてあげて、うーんと甘えさせてあげるんだ。これがわたしにできるたった一つのこと。
「…今日家に来る?良かったらトロワくんも」
「いや、俺は…」
「遠慮すんなって!ミヅキ、こう見えても料理は上手いんだぜ?」
「こう見えてもってなんだよ」
デュオもトロワくんもOZが現れればまた戦いに行ってしまう。だからこそ一緒にいれるこの時間を大切にしたいと思った。
・・・
120705 / title:メルヘン
乙女座のユニコーン