やっぱりこの時期の海って寒い。真冬の海ってロマンチックかも、行きたいな。なんて思いついた数十分前の自分の頭を思い切りなぐりたい。そう言ったらジョルジュにお前はバカ力なんだから加減しないと本当に頭がぶっとぶぞ、と真剣に言われた。ひどいよねそういう意味じゃないのに(まあジョルジュを付き合わせたわたしの方がひどいのかもしれないけど)

「ごめんねジョルジュ、こんなところに付き合わせて」

「別に構わない。訓練も終えていたしな」

「そっか…ありがとう。でもこんなに冷えるだなんて思わなかったよね」

「昼間は暖かかったからな。…それにしても夜の海というのは綺麗なものだな」

ジョルジュの言葉を聞き海の方に目を向けると水面がキラキラしていて神秘的な光を放っていた。うわあ…!思わず感嘆の声を上げる。めっちゃ綺麗じゃん…!

「ジョルジュ!すごいね、海一面キラキラしてる!」

「ああ、俺も夜の海というのははじめてだが…来て良かったと思う。たまにはお前の無理に付き合ってみるのもいいものだな」

「なんかムカつくなあ。まあ確かにわたしのワガママだったけど…」

寒いけど…でも、こうして海を見ていると心が洗われる気がした。最近は鍛錬!鍛錬!って感じで周りの風景を楽しむ余裕なんてなかったから。…だから今日ここに来て良かったなって思う。

「くしゅっ」

…やば。くしゃみなんてここに来るまで全然出なかったのに。けっこう海に来てから時間立つしなあ。体が冷えてしまったみたいだ。

「大丈夫か、ミヅキ。これを着るといい」

するとわたしのくしゃみを見かねたジョルジュが上着をわたしに羽織ってくれた。え、でもそれじゃあジョルジュが寒くなっちゃうよ…!

「いやいやいや、ジョルジュも薄着じゃん…!」

「俺は寒さには強いから大丈夫だ」

でも平気なはずなんてない。来た時に冷えるねって言ったら同調してたし。…こうなったら

「ジョルジュ、わたしに引かないでね」

「え」

わたしはジョルジュに正面からがっつり抱きついた。我ながら大胆だと思う。

「…ミヅキ、お前…」

「あの、その、くっついたらあったかいかなって思って…」

「…確かに、あたたかい」

ジョルジュはそう言うとぎゅっと抱きかえしてくれた。やったはいいけど拒まれたらどうしようって、今さらながら不安だったから安心した。絶対にジョルジュには嫌われたくなかったから(だって好きな人だもん)

「ミヅキ」

「どうしたの?」

「俺もワガママを言わせてもらおう。まだ寒いが…もう少しここにいないか?」

まだこの景色をお前と見ていたいんだ。そんなことを言うものだから周りは寒いのにわたしの体温はどんどん上昇していって、寒いのか暑いのかよくわからなくなった。

「うん、わたしも」

きっと寒くて仕方がないままでもわたしはこう答えたけどね。ジョルジュと少しでも一緒にいたいから。

・・・
0225 / title 氷上

乙女座のユニコーン