「痛あああああっ!!!」

授業のペアで二人組でトレーニングをしていたところ相手の子の膝がわたしのスネに激突。その瞬間足に激痛が走る。

「ミヅキごめん!大丈夫?!」

「いった〜…」

大丈夫、と本当は言ってあげたいのに口からはこの言葉しか出ない。足をみるとぶつかったあたりに20センチほどの巨大な痣ができていた。

「…うわっ、本当に本当にごめんね…!」

「だ、大丈夫……。」

「でもすごい痣が…っごめんね!」


「いや、大丈夫大丈夫。でもちょっと保健室に行ってくるね」

辺りをチラリと見ればわたしがバカでかい声を出してしまったせいか気づけばわたしの周りにはたくさんの生徒が集まっていた。…なんだか恥ずかしいな。それに授業も中断させてしまい、申し訳ないと思い立ち上がった(痣もとりあえず先生に見てもらいたいし)けど、

「痛っ……」

立ち上がろうとしても痣がじんじんして立ち上がることができない。やばい、今の結構痛かった。でもこれ以上授業を中断させるわけには行かない。とりあえず無理にでも立って後はケンケンで向かうしかないか………

「#name2#おぶってやる」

「はい?…ってえええ!!あ、跡部くん」

みんながガン見している中、跡部さまがわたしにとんでもないことを言い出した。あ、跡部くん…いや跡部さまにおぶってもらうだなんて恐れおおいにもほどがある。

「いいから乗れ」

「い、いや…大丈夫です」

「アーン?俺様の言うことが聞けないってのか」

「めっそうもございません…!」

「なら乗れ」

「はいい…!」

こうしてわたしは跡部さまのお背中をお借りすることになったのでございます。正直保健室に着くまでは跡部くんにこの重たい肉体を持たせているという変な焦りと、緊張で胸がいっぱいだった。けどその一方で跡部くんバラのいい香りがするな、なんて考えていたり。…ってわたしは変態か!なんて自分に突っ込んでみたり。

「ごめんね、わざわざありがとう」

「困ったときはお互いさまだ」

「(じーん…)跡部くんっていい人だね」

「アーン?今更気づいたのか」

「…はは」

…やっぱり跡部くんは跡部くんだった。けど本当は優しいって分かって、新たな一面を知れて良かったなって思った。

「言っておくけが、俺はどうでもいい女をおぶったりなんかしない」

「え」

「この意味が分かるか?」

「……えっと」

「好きなんだよ、#name2#が」

「…ええええっ??!」

し、信じられない…あの跡部くんがただのクラスメートであるわたしを好きだなんて…。もはや足の痛みのことなんて忘れていた。

「で、どうなんだよ?」

「…そ、れ嘘じゃないよね?」

「俺がそんなしょうもない嘘つくか。まあどう言ったところでお前に拒否権はないがな」

跡部くんらしい自信たっぷりなセリフ。でも自然と嫌ではなくて、むしろ嬉しいと感じている自分がいた。…跡部くんはわたしの気持ちを見越してあんなことを言ったのかな、なんて思ったり。…頬が熱い。

「…よろしくお願いします」

そうしてわたしは跡部くんに優しく抱きしめられた。まさかケガからこんな展開になるなんて思わなかったけど、今はケガをしたことにちょっぴり感謝している。

・・・
110526/title ねごと

乙女座のユニコーン