出来心だった、いつも冷静な彼にいたずらをしたらどうなるかなっていうただのおちゃめな好奇心。それがまさかこんなことになるだなんて思いもしなかった。
「覚悟はできてるよね?ミヅキ」
「ひいぃ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
わたしは今、トウヤに押し倒されている。目のまえにあるトウヤの綺麗なお顔をチラリと見るとにこっとされた。でも目は全然笑っていなくて思わず苦笑い。わたしはこれほど人の笑顔を怖いと思ったことはない。
「なんであんなことをしたのかな?」
「いや、それはあの……まあ出来心で…」
「出来心ねぇ……」
だから目が笑っていないですトウヤさん。とても目を合わせていられなくて横を向こうとすれば手で無理やり戻された。ぐえっ、と声が漏れれば変な声だと言われた。誰のせいだと思ってるんだ誰のせいだと。
「もとはといえば君のせいだからね」
「え?!(わたし口に出してないのに)」
読心術ですかこのやろう。すごすぎるトウヤさんの実力を目の当たりにしてしまったわたしは迂闊に文句を言えない。それが心の中でだとしても。ていうか悪いとは思ってるよ、だから解放していただけませんでしょうか。
「あ、あの…」
「なんだい?」
「だ、大丈夫です!わたし誰にも言いませんから!トウヤさんが寝てる間にメイド服に着替えさせて猫耳つけたなんて誰にも言いませんんん!だから離してください」
そうなんです実はわたし夜中にトウヤさんの部屋に忍びこんでこ〜んないたずらをしちゃったんです。だからトウヤさんが怒るのも仕方ないってわかってる。ちなみにこの服はミモザさんが譲ってくれた。なぜ彼女がそんなものを持っているのかというのはご想像におまかせします。ちなみにトウヤさんは寝ている間に物音がすればすぐ起きそうだと思われる方、おられるかと思います。でも実はそうじゃなくて眠りは深く熟睡するタイプの方なんです。これはわたしが何度も何度も偵察をした末に得た結果だから間違いない。決してストーカーなんかではありませんからね!これは立派な愛なんだからね!ただあそこでミスりさえしなければ……なんで転んで花瓶をトウヤさんのお顔に落としてしまったんだああああ…!
「……ねえ」
「はい?」
「許してあげてもいいよ」
「ほ、本当ですか…?」
さっきは笑顔が怖いとか思っててすみません。やっぱりトウヤさんは誓約者にふさわしい器の持ち主だ。キラキラとした眼差しでトウヤさんを見つめる。
「ただ条件があるけどね」
「…条件ですか?」
「うん」
そう言いニッコリと笑うトウヤさんの笑顔にわたしは嫌な予感がし。これはさっきの有無を言わさない笑顔とは違うけど何か良からぬことを企んでいる顔だ。確実に。わたしは思わず身震いをする。
「僕に着せてたあのメイド服…あれをミヅキが着てくれればいいんだ」
「(…ええええ!)」
「もちろん猫耳つきでね」
もはや言葉にならなかった。だってそんなの嫌すぎる。だってわたしは着せる方専門だから。着るだなんてわたしの専門外。
「僕に着せておいて自分は着ないだなんて不公平だと思わないかい?」
「思わない思わない!!」
「うん??」
「…大変不公平デスネ」
「じゃあ着替えようか」
「、ちょ!いや自分で着替えますから!」
わたしの服に手をかけたトウヤさんを必死に止める。わたしのこんなボディなんか見てもどうにもなりませんって。ですから本当勘弁してください。
「…う〜ん、でもこうしないと不公平だからね」
「うわあああああ!!」
…結局わたしはトウヤさんに身ぐるみを剥がされるのでした。そしてメイド服に着替えさせれたわたし。…うぅ、屈辱!そしてそんなわたしの姿を堪能?したトウヤさんはわたしをメイド服のまま再び押し倒して舌なめずりをする、そして一言。
「いただきます」
「え、え?いやあああああ!」
こうしてわたしはトウヤさんに食べられてしまいました。男って狼なんだね…。ていうかわたしトウヤさんのこと襲ってないのに。これこそ不公平だ!…なんとことは言えずわたしは彼の下でたっぷりとろかされました。
「ミヅキは甘いね」
「…トウヤさんもね」
・・・
101014/thx 氷上
乙女座のユニコーン