※学パロ
ヒロインとフリックは剣道部です
「今日も頑張ってるな」
声をかけられて振り向くとそこには胴着を着て竹刀を持ったイケメンさん
練習は一時間以上も前に終えたというのにフリック先輩は汗でびっしょりだった
「うわあ、先輩すごい汗ですね…」
「ミヅキもな」
そう言い二人で顔を見合わせて笑う
わたしが厳しい練習の後に居残りをしてまで自主練習をするのには強くなりたいという気持ちもあるけど、フリック先輩とこうして過ごす時間を楽しみにしているからなのかもしれない
フリック先輩と話すとドキドキするけど、とても笑顔になれる自分がいる
ビクトール先輩はフリック先輩のことをヘタレとか運が悪いとかイケメンとか散々言っているけど(おっと、イケメンは褒め言葉だった)わたしはフリック先輩は誰より素敵だと思う
だってこうして自主練をしているフリック先輩とかとっても輝いてるんだもん!
………実はわたしそんな先輩が好きなんです
キャプテンでありながらエースという実績は先輩の努力の結晶だとわたしは知っている
…先輩の頑張る姿を知ってるからわたしも頑張らなきゃって思えるんだ
「よし、頑張るぞ!
わたしの剣道人生は始まったばかりです!」
そうわたしが意気込みそう言うとフリック先輩は驚いた顔をした
「ちょ、まだやるつもりか?
…ミヅキは頑張りすぎるから心配なんだ」
「…え?」
今度はわたしが驚く番だった
フリック先輩を見ればハッ、としたように顔をみるみる赤くしていた
なんだかわたしまで恥ずかしくなって二人して赤い顔をしていた
二人きりの道場でごらんの状況
漫画みたい、なんて頭の片隅で考えていた
「…とにかく今日は練習ここまでにしておけよ」
「、はい!」
ぼーっとなっていた頭がフリック先輩の声で正常に戻る
そして道場から出て行くフリック先輩の背中を見つめていた
その時、あ!という声を上げ突然フリック先輩が振り向いた
とっさのことに肩がビクリ、と跳ね上がる
「もう夜遅いから送っていく
着替えたら部室の前にいろよ」
…まじで?フリック先輩の言葉を聞き終えるころには心臓が体から出てきそうなくらい高鳴っていた
これって夢じゃないよね?現実だよね?ドッキリとかじゃないよね?
フリック先輩は気を使って言ってくれてるだけっていうのは分かりすぎてるくらいだけどわたしにとっては重大事件だ
「…ミヅキ?」
「…わ、かりました!」
どうしよう素直に嬉しい嬉しすぎるけどわたし心臓持たないかもしれないし変なこと言っちゃうかも(いつも言ってるけど)
先輩が道場から出るのを見送りわたしは超特急で着替えをする
外に出てみれば先輩は部室の少し離れたところにある木にもたれかかっていた
なんだか先輩と付き合ってるみたい、なんて考えているわたしの頭を誰かなんとかしてほしい
他愛もない会話を繰り返しながら道を歩く
この時間が終わらなければいいのになんて考えているわたしはの頭はどんどん乙女ちっくになっていっている気がする
やっぱりフリック先輩好きすぎる、なんて考えて隣を歩くフリック先輩の少し高い位置にある顔を見ると目があった
なんだよ、と頬をすこし赤く染めるフリック先輩は…うん、格好良すぎてどうしようって感じだ
「ミヅキ、ちょっと、言いたいことがあるんだけど聞いてくれるか?」
そして次の瞬間、わたしは人生で最もビックリな宣告を聞くことになる
「ミヅキ、が好きだ」
「………え?」
スキ、すき、好き?フリック先輩がわたしを?
…唖然として口をポカンと開けフリック先輩を見る
状況がイマイチ飲みこめない
「ミヅキのことが好きだ」
「…本当ですか?」
「あのなあ…俺が冗談で言うようなやつに見えるか?」
先輩はいつだって真っ直ぐで絶対にそんな冗談を言うようなひとなんかじゃない
…やばい、どうしよう、嬉しすぎる
フリック先輩はわたしを好き、って言ってくれた
そう心のなかで思う目頭が熱くなって泣きそうになった
フリック先輩の想いに、わたしも答えよう
「わたしも、好きです」
「…本当か?」
「わたしがそんな冗談言うように見えます?」
言うようなやつじゃないな、そう言い先輩は笑った
先輩が笑う顔を見て、わたしも笑って、
とても暖かい気持ちになった
「…でも俺でいいのか?」
「え?」
「周りのやつらは俺のこと運がないとかヘタレとか言ってるからミヅキは嫌じゃないのかと思って」
全く失礼なやつらだ、少し眉間に皺を寄せる先輩は可愛いかった
「大丈夫です
剣道を人一倍頑張ってる先輩はヘタレなんかじゃないですし、あと…ふたりで一緒に幸せになりましょう」
「…ありがとう、ミヅキ」
普段なら恥ずかしくて絶対に言えないような言葉も今なら言えた
両想いという事実が、わたしを後押ししたのかもしれない
明日になれば他の部員達に言ってやろう(特にビクトールさんには)、フリック先輩はヘタレなんかじゃなくて格好いいということを
…あとふたりで幸せになるってことと何日かしたらノロケなんかも聞かせてやろう
・・・
101110
乙女座のユニコーン