(かっこいいなあ〜)


何がかっこいいかって、それはバーダックのことです!イケメンなのはもちろん性格も素直じゃないけどほんとは優しくて仲間想い。そしてそして!とにかく筋肉がすごくて腹筋はパキパキに割れてて腕も足も鍛えられ太くてボディビルダーも顔負けな立派で素敵な筋肉。…触らせてくんないかなあ、なんていつも思ってるのは内緒。そんなこと言おうものならわたしの今まで築きあげてきたイメージは崩れ変態女という印象になってしまう。複雑な乙女心を抱きつつバーダックをチラリ、と見ると目があった。

「何気持ち悪い顔してこっち見てやがる、アホ美月」

「き、気持ち悪い顔?!ひどい!」

女の子に向かってそんなこと言います?!普通!きっ、とバーダックを睨んでみるもののふふんと言わんばかりの笑みを返される。…むかつくしくやしい、けどかっこいい。それがまたくやしい。

「自分がちょっとばかしイケメンだと思って…」

「あん?何の話だよ」

「いや、なんでもない」

何言ってるんだこいつ、みたいな目で見ないでほしいです。わたしが哀れなやつみたいじゃん。

「全く…イケメンの上この筋肉とか世の中不公平だ」

「イケメンとかはどうでもいいが、体は毎日鍛えてるからな。気づいたらこうなってた

「いいないいな〜」

目をキラキラさせてバーダックを見る。正直ここまでムキムキにはなりたくないけどやっぱり引き締まった体って憧れるし、しかも修行してたら自然と筋肉がついてただなんて素晴らしすぎる。そしてストイックなバーダックらしいとも思った。…わたしも頑張って強くなろう。バーダックの女の子としてふさわしくなれるように。なんて自分の世界に浸っていたらおい、と呼ばれた。

「なんでしょうか」

「…触らせてやってもいいぜ?」

「えっ!いいの?!?!」

「だってお前、俺の腹筋やら二の腕やらガン見してただろーが」

「あら、バレてましたか」

「わかるわアホ」

まさか見ていることがバレてるとは思わなかったけどバーダックの筋肉を触る許可をいただけることになり、夢が叶いそうです。見ているのがバレたりと恥ずかしいこともあったけど…結果オーライです。

さわさわ

「………」

「………」

バーダックの胸板と腹筋を触らせてもらってるところだけど…すごい。想像以上に固くて腹筋は何個にも割れてて…並大抵の鍛え方じゃないと思った、あらためて。バーダック修行ばっかしてるもんなあ。…なんだか胸がドキドキする。あの体に抱きしめられたら…わたし…なんちゃって!

「…おい、なんか言えよ」

「ぅえ!…えっと…」

妄想中話しかけられ変な声が出てしまった。なにか喋ろうと思うけど変なこと考えてたせいか思考回路がまわらない。勝手に妄想して恥ずかしくなるとか…なんなんだわたし。普段は何も考えなくてもべらべら喋ってるのにこんなときは何も言うことができない。口から出るのはあ、とかえっと、とかそんなことばかりで。


「…お前にそんな顔されたらどうしていいかわかんなくなんだろうが」

そう言いこちらをキッと睨むバーダック。けどほっぺたは赤くなってて、全然怖さは感じられない。むしろ照れ隠しにすら見えてしまう。わたしといえば相変わらず何を言っていいかわからないし、頭だって爆発寸前だ。

「え、いや、あのそんなこと…言われても」

あんだけ触りたい触りたい言ってたのになんか…顔を見るのも照れちゃう。チラリとバーダックを見るとバーダックも顔を赤くしていて二人して固まってしまった(バーダックのこんな顔はじめて見た…)

「俺、美月が好きだ」

な、なぜ今このタイミングでー!?すごく驚いた…けど嬉しいことにかわりはなくて。わたしも、と呟いたらぎゅっと抱きしめられた。

(…もう、死んでもいいかも)

バーダックの腕のなかは暖かくて安心できて、とても心地よかった。

・・・★

宝石にチーク
(131029)

乙女座のユニコーン