「あれ…なんだか美月さんいい匂いがする…」

わたしを抱きしめていた悟飯くんが首筋に顔をあててすんすんと匂いをかぎだすものだから悟飯くんの吐息が直にかかってひゃっ、なんてまぬけな声がでてしまった。

「美月さん可愛いなあ」

「か、かわいくないよ」

こっちは顔が赤くて熱くて恥ずかしくて仕方ないっていうのに悟飯くんは可愛い可愛いってぎゅうぎゅう抱きしめてくるものだから少し苦しくなった。「ご、悟飯くん苦しいよ…」そう言えばあわてて離してくれた。

「ごめん、少し強くしすぎたね」

「ほんとだよ…。自分がサイヤ人だということを自覚してほしいものだよ」

えへへ、なんて笑う悟飯くんが可愛いくてキュンときた。けど加減をせずに抱きしめられたりしたらわたしいつかポックリと全身骨折で死んじゃうかもしれない。…そしたら悟飯をひとり残しちゃうってことになっちゃうし、わたしも悟飯くんといたいもん。

「美月さんがおいしそうな匂いだったからつい…」

「あ、もしかしたらわたし最近ボディバターを塗りだしたからかな」

あまったるい香りが好きで風呂あがりにぬったりすることが増えたからかもしれない。バニラとかチョコレートとかその日によって気分で変えたりしながら。

「なんかお菓子みたいな甘い香りで僕くらくらする」

美月さんらしくていいと思います。なんて少し照れたように言うからわたしまでまた赤面しちゃう。絶対無自覚なんだろうけど。恥ずかしくてたまらなくなって次はわたしから悟飯くんに抱きついた。

「ほんとに美月さんは可愛いなあ」

悟飯くんはわたしの頭をやさしく撫でながらやさしく微笑む。こうやって悟飯くんがわたしのことをどろどろに甘やかして愛しおしそうに見つめてくれるから、わたしはそのたびに恥ずかしくなるんだけどそれと同時に悟飯くんへの好きが膨らんでどうにかなりそうなのだ。

・・・☆

香水はスパイス
(131019)

乙女座のユニコーン