主に半兵衛受けのお話が多いです。
また探し出して
親半、学パロ
澄み渡る青空、そこに浮かぶ雲と同じくらい白く柔らかい銀髪、水晶のような紫の瞳が悲しそうに揺れ、ぽたぽたと落ちる雫が俺の頬を伝う。あいつの膝に頭を乗せられ、意識が消え去るその時まで覗き込む紫の瞳が逸らされることはなかった。
「もーとーちーかー」
「…」
「もとちかー」
「…」
「起きろって言ってんだろ!」
「いでっ!」
後頭部に鈍い痛みを感じて咄嗟に体を起こすと手をぷらぷらさせながら溜息をつく政宗がいた。恐らくそのぷらぷらしている手で殴られたのだろうと元親は思った。
「んだよ…いってぇな」
寝ぼけ眼で周りを見渡すといつの間にか授業は終わり、クラスメイトがそれぞれ昼食をとろうとしているところだった。
「Lunch time、だぜ」
「あー…早ぇな」
「授業が始まってすぐに寝てしまわれるからですぞ!元親殿!」
青い包みと赤い包みの弁当箱を持って政宗の後ろからひょこっと幸村が顔を出す。隣りのクラスの佐助と小十郎から作ってもらった弁当を取りに行っていたらしい。ガタガタと机を2つ合わせて広めのテーブルを作り、3人は昼食をとり始めた。
「おぉ!元親殿の弁当もなかなか美味そうでござるな!」
「あたぼーよ、料理は結構得意だからな」
「Ha、勉強に関しては全然ダメだけどな」
「おめぇに言われたかねぇよ!」
1人暮らしで料理が得意な元親は毎日自分で弁当を作っている。幸村がその弁当を覗き込んで「美味そう美味そう」と騒ぐのはいつものことだ。
「ところで、元親」
「あん?」
「さっき居眠りしてる時、夢でも見てたのか?」
「夢だぁ…?」
どうしてそんなことを聞くのかと首を傾げながら先程まで見ていた夢を思い出し、覚えている場面を話した。
「へー…」
「なんでそんなこと聞くんだよ、別に興味ねぇだろ」
「いや、な。チラッとしか見てねぇけどお前…」
「なんだよ」
「なんか、泣いてたみたいな気がしてよ」
「…は?俺が?」
泣いてた、この俺が。夢を見ながら泣くなんて小学生低学年以来だと情けない気持ちになった。
「も、元親殿!何か不安なことがあるのでは!?この幸村でよければ相談に乗りますぞ!!!」
ダンッと机を叩いて立ち上がった幸村は己の胸に拳を当てる。彼なりに心配してくれているようだが大声でそんなことを言われては恥ずかしくて仕方ない。まぁまぁ一旦座れ、と元親がなだめて椅子に座らせる。
「まぁでも欠伸して泣いてただけかもしれねぇな」
「鬼の目にも涙と言いますぞ?」
「oh…ちと使い方が違うかもな」
「もういいじゃねぇかその話は」
真面目だがやはり政宗と元親とつるむだけあって幸村もなかなか頭が悪い。学校では似た者同士の3人でいる時が多く、今日もいつものように談笑しながら昼食を済ませた。そして3人ともが苦戦する睡魔との戦い…午後の授業が始まった。
*****
放課後、グラウンドからは運動部の元気のいい声が、校舎からは吹奏楽の音楽が聞こえている。元親は特に部活動をしているわけでないため早々に家に帰るか学校内をぷらぷら歩き暇を潰していることが多い。今日は入学してから1度も縁がなかった図書室へ足を伸ばしてみた。ガラガラっと扉を開けると受付にいた数名の生徒達が元親を見るなり驚いた顔をし、何やらヒソヒソと小声で話を始めた。
「チッ…んだよ。不良は図書室へ入るべからずってか」
学校内でも名高い不良の自分がまさか図書室へ来るなんて思ってもいなかったのであろうが、その仕打ちはあんまりではないかと元親は思った。あまり気にはとめないようにして図書室の中へと足を進めていった。
「へー、結構揃えてあるもんなんだなぁ」
全く読む気にはならないがずらりと並べたれた様々な本は、ただ棚に収まっているだけだがどこか威圧感すら覚える。あわよくば漫画でもあればと思い本棚の間を歩き回る。すると、本棚の間を抜けた先の広い机に、1人の男子生徒が座っていた。
「…」
窓から差し込む夕陽に照らされてキラキラ光る銀髪、ふわふわと風に揺らいでとても柔らかそうに見える。伏せられた紫の瞳は銀縁の眼鏡を通して手元の分厚い本を見つめていた。男子にしては細い体と白い肌は一瞬性別を疑わせたが、服装から男子だと断言することができた。こちらの様子に気付かないのか彼は黙々と本を読み続けている。
元親は何故だか分からないが彼から目が離せなかった。名前も知らない、学校内で見たことすらない、今日初めて会った人間にただただ瞳を奪われた。なんで目が離せないのかと思う心のどこかで離したくないという気持ちが湧いてくる。
「綺麗だ」と素直にそう思った。
すると、不意に銀髪が揺れて彼の紫の瞳が元親をとらえる。
「あ………えっと」
元親は驚いて思わず視線を逸らし、誤魔化すように頭を掻いた。初対面の人間、しかも不良に見つめられるなんてあちらもかなり気味悪がるに決まっている。やっと視線を逸らすことができたが次はどう言葉をかけたらいいのかが分からないと困っているとクスッと笑い声が聞こえた。
「遅かったね」
視線を戻すと彼は目を細めてふわりと笑っていた。その笑顔はとても暖かく、呟いた声は優しく、まるで両手で心を包まれるような不思議な感覚に元親は戸惑った。
「は…?え、一体どういう…」
遅かったね、という言葉の意味も分からず余計に困る元親を見て彼は少し驚くと、すぐにその笑顔は無表情へと変わり再び視線は本へと戻された。いきなり話し掛けられて次は無視されて何が何だか全く分からない元親は少しイラつきを覚えた。
「おい、何なんだよお前。人に話しかけるんならまず名乗るのが礼儀じゃねぇのか」
「………」
しばらくの沈黙、それを遮ったのはパタンと本を閉じる音と呆れたような溜め息だった。
「竹中」
「あ?」
「僕の名前は竹中半兵衛だ」
「竹…中」
初めて聞いた名前だった。だがどこかで聞いたことがあるような気もしていた。本を鞄へ入れ立ち上がりながら半兵衛は続けた。
「君は長宗我部元親君、だろ」
「な、なんで知って…」
「昔から知ってたさ」
いきなり名前を言い当てられて驚く元親をチラッと見ながらその横を半兵衛は通り過ぎる。これ以上話すことはないと言わんばかりに足早に図書室から出て行った半兵衛の姿が見えなくなっても元親はその扉を見つめていた。
「なんだよ…どういうことなんだよ」
*****
「そりゃー、元親の名前なんてこの学校中の皆が知ってるよ」
次の日の昼休憩。3人は屋上で集まったのだが今日はそこに1人の男が追加されていた。男子からも女子からも人気者のチャラ男、前田慶次。たまたま屋上で集まった3人を見て面白そうだと話の輪に入ってきたのだ。どうやら半兵衛とこの慶次は昔からの知り合いらしい。
「どういう意味だよ」
「だって政宗もだけど、2人とも学校創立以来の超〜不良だろ?そりゃ皆知ってるに決まってるし、半兵衛とか生徒会の人間なら尚更さ」
「あいつ生徒会のやつなのか…」
「毎週朝会で前に立っておりますのに元親殿は一体どこに目を付けて…」
「まぁ真面目に朝会で話聞くやつなんざガリ勉組ぐらいだろうぜ」
政宗の言う通りまともに話なんか聞いていない朝会で誰が何を話しているかなんか本当に興味を持ったことがなかった。だがこれで何故半兵衛が自分の名前を知っていたのかということは解決できた。
「生徒会か…チッ面倒なとこに目ぇ付けられたもんだぜ」
「It is too bad、まぁせいぜい俺にまで迷惑かけないようにしてくれよ」
「某も!迷惑は御免でござる!」
「お前それでも友達か!?」
「ハッハッハッ!皆仲良しで羨ましいねー」
「うるせぇチャラ男!さっさと追加でパン買って来い!」
「えぇ!?いつから俺パシリになってたの!!?」
チャラ男からパシリへ格下げされて嘆く慶次をからかいながら昼休憩は終わった。
*****
それから数日経った。
あの日から時々学校内で半兵衛を見かけることが多くなった。最初は生徒会に目を付けられ面倒というくらいにしか思わなかったが、顔を合わせる機会が増えると少しずつ話をすることも増え目を付けられたとかそういうことはどこかへ飛んでしまっていた。
毎日のように自分が知らない半兵衛の一面を知ることが増えていった。休み時間などは小十郎や元就、頭が良いと言われている人間と一緒にいることが多い。部活動は生徒会とは別に家庭科部へ入っており、よく元就と甘いお菓子を作ったりしているらしい。テストの順位が張り出されればいつも上位に入っているくらい勉強ができる。そして生徒会長である豊臣秀吉のことを敬愛しお互いが最高の友として認め合っているらしい。
そして気付いた、1つ1つ半兵衛のことを知っていくにつれて嬉しく思い胸を躍らせる自分がいることに。
「はぁぁぁ…」
机に肘をつき窓の外の曇り空を見上げながら元親がそれはそれは大きな溜め息をついた。
「元親殿!かような溜め息をされると天気だけではなくこちらの気分まで曇ってしまいまする!」
「でもよぉ……はぁぁぁ…」
「まだ悩んでんのかよ、半兵衛のことが気になって気になって仕方ないって」
その言葉を聞いて肘で支えられていた頭はガクッと机とご対面を果たした。気を許せる2人とパシリの慶次には打ち明けた悩みだが、まさか自分が男色だったなんてやはり認めたくはない。学校にはかすがやお市やナイスバディな女生徒が大勢いるにも関わらず何故選りに選って男なのか、うな垂れて唸る不良の姿が情けなくて政宗もまた溜め息をつく。
「もういいじゃねぇか認めちまえよ」
「そうでござる」
「俺達だってそっち系でこーんなに仲良しなんだぜ?なーHoney?」
「そうでござる!」
どんよりと俯く元親の横で肩を寄せ合いピンク色のオーラを醸し出す2人に突っ込む気も起きず元親は無視した。実際2人のように認めて受け入れれば楽なのだろうがやはりどこかで恐れている。それは両想いの2人とは違って相手の気持ちが分からないということが大きいのかもしれない。
「………」
「ん?どうした元親」
「いや、似てる気がするんだよ」
「何がでござるか?」
「前に言ってた夢…最近よく見るんだけどよ、出てくる銀髪の男が日に日に半兵衛に似てきてる気がして…」
最近では言葉まで聞こえてくるようになった。何かとても大事なことを話して、そして決まって最後は涙を流す彼に向かってこう言うのだ。
「待ってろ」と。
*****
帰り道、とうとう天気は崩れて雨が降り出した。念のためと持ってきていた傘が役に立って少しラッキーな気分になった。バシャバシャと水たまりを靴で弾きながら帰路を歩いていると、道の先から騒がしい声と見覚えのある制服が見えた。
「あ…?」
よく見ると4.5人他校の不良達に囲まれた輪の中に自分と同じ制服を着た生徒が1人立っていた。見るからに不穏な空気を感じ取って元親が足早に近付こうとした時、不良の1人がその生徒の腕を引き近くの公園へ連れ込んだ。それに続いでぞろぞろと他の不良もついて行き、本能的にヤバいと悟った元親は走り出した。
公園に着くと不良達の姿もその生徒の姿もなかったがどこからか声が聞こえてきた。物陰に隠れているのだと察して元親は声を頼りに彼らを探し始めた。
「大人しくしろっ!」
「やめ…離せっ…」
「おい、お前そっちおさえてろよ」
ちょうど公衆トイレの前を通った時裏の方からその声が聞こえた。弱々しいその声に聞き覚えがあり、カッと体温が上がるのと同時に元親はその場に駆け付けた。そこには壁に追い詰められて、両腕を2人がかりで押さえつけられて身動きがとれない状態にされた半兵衛がいた。ブレザーとシャツはボタンが千切られ羽織るだけの物になり、不良の1人がさらに下半身を晒してやろうと半兵衛のベルトへ手を伸ばしている所だった。
「…てめぇら…何してんだ!!!」
怒声に驚きその場にいた全員が元親の方へ顔を向けた。銀髪の髪を逆立てて殺気を醸し出す隻眼に不良達は凍り付いた。
「元親、君」
不安に満ちた瞳が少しの安堵を見せているが、殴られてしまったのか白い頬には痣が残っている。
「なんだてめぇ、こいつのお友だ…ぐはっ!」
主犯格と思われる1人が元親歩み寄り睨みをきかせた瞬間、紡いだ言葉が終わる前に体は後ろへと吹っ飛んでいた。見ればその場に投げ捨てただならぬ雰囲気で右手に拳を構える元親がいた。
「次ぶっ飛ばされてぇヤツは…どいつだ?」
ギラついた瞳で睨み付け、低く地を這うような声で呟くと不良達は震え上がり一目散に逃げて行った。殴られた主犯格は急いで立ち上がり1番最後に逃げ出しながら覚えてろよ、とありがちな捨て台詞を残して走り去って行った。
腕が解放されたのと同時に半兵衛はその場に座り込んだ。ボタンが役に立たない服の前を右手でキュッとまとめて何も言わず俯いていた。落とした傘を拾って半兵衛の前にしゃがみ込んで差してやると、服を握っている右手が震えていることに気が付いた。
「半兵衛、大丈夫か?」
「………」
何も答えない代わりにこくんと首が縦に動いた。
「俺ん家ここから近いから寄ってけよ」
またもや何も言わないが半兵衛は頷いた。元親は半兵衛の肩を抱いてふらつく体を支えながら公園を後にした。
*****
家に着くとすぐに半兵衛にシャワーを浴びさせた。その間に雨と泥で汚れた制服を洗い、半兵衛には少し大きめだが自分の服を貸してやった。
「ねぇ、元親君…」
ベッドに腰掛け暖かいココアが入ったコップを両手持ち、俯いたまま半兵衛が呟いた。
「なんだよ」
「…ありがとう、助けてくれて…あと、シャワーや服まで貸してくれて」
「バーカ、困ってるヤツがいたら助けるのが当たり前だろ」
くしゃくしゃと半兵衛の髪を軽く撫でて元親も隣りに腰掛ける。見れば見るほど服もズボンも大き過ぎてまるで彼女が彼氏の服を着ているようで、不覚にもドキドキしてしまった自分を元親は心の中で説教した。
「僕、君が来てくれて嬉しかった…」
まだ微かに震える手をココアで温めながら半兵衛は続ける。
「あのまま誰も来なかったらどうなってたんだろうって…今想像しただけでも怖くて仕方ないや、全く情けないね」
黙って聞いていた元親だが、その柔らかい声が震え始めたのに気が付いてハッと半兵衛の方を見た。顔は見えないがズボンにポタポタと落ちた涙が染みているのを見て泣いていることが分かった。
「半兵衛…」
「すごく…怖かった…」
細い手からそっとコップを取ってテーブルに置くと、半兵衛の肩に腕を回して自分の方へと抱き寄せた。驚いて身を固くする半兵衛に元親は優しく囁いた。
「も、元親君…?」
「悪ぃな半兵衛、そのまま聞いててくれ」
いつもと違って真面目に話す元親の声を聞いて半兵衛はそのまま大人しく従った。そして元親は今までの自分が思っていたことを全て話した。出会った時のこと、少しずつ話をすることが増えたこと、半兵衛の知らない一面を知る度に嬉しかったこと、そして先程の激情を。
「さっき絡まれてるのがお前だって気付いた時、すっげぇ不安になったし、怖くなった…お前に何かされたらって思うと吐き気がした」
「…うん」
「半兵衛が殴られたって分かった途端、頭に血が上っていつの間にか殴り飛ばしてて…あー、やっぱりもう1.2発いっとけばよかった」
「君って人は…」
「そんで、聞いてくれ半兵衛」
肩を抱く腕にぎゅっと力が篭る。何も言わず半兵衛はただ目を伏せて言葉を待った。
「俺、お前のことが好きだ。多分、初めて会った時から…でもな、なんかあの時一瞬やっと会えたって気がしたんだ」
「………」
「あの日から多分ずっと好きで、今日やっと好きだって気付いたんだと思う。かっこわりぃな、お前が危ない目に遭ってから気付くなんてな…」
「ううん…そんなこと…」
「これからは俺が絶対守ってやる。迷惑かもしれねぇけど…好きだ、半兵衛」
「…」
「お前は、どう思ってる俺のこと」
「…」
顔を上げずに黙る半兵衛に元親は肩を落とすが、その大きな背中に白い腕が回され隻眼を見開く。
「僕は…ずっと好きだったよ、君のこと、すごく好きだよ」
小さく、だが確かにはっきり聞こえた。その瞬間やっと自分が男色だとかどうして女に惚れなかったとか悩んでいたことが全てがくだらないことに思えた。喜びのあまり細い体を更に強く抱き締めてしまって腕の中から微かに悲鳴が聞こえた。ごめんごめん、と軽く謝って腕を離し顔を覗き込むとまた頬を涙が伝って落ちた。
「半兵衛まだ辛いか?」
「ううん、違うよ…ただの嬉し泣きだよ」
「本当か…?」
「本当、さ…ねぇココア温めてきてくれないかい」
泣くと喉が乾くね、と笑う半兵衛にホッと安心してついでに自分の分も入れようとコップを持って元親はキッチンへ向かった。カチャカチャとキッチンから音が聞こえるのを確認して半兵衛は両手で顔を覆い、声を殺して1人泣いた。
「覚えてないくせに…」
*****
青く澄み渡る空とは裏腹に、地上は灰色に焼け煙と血の匂いで満ちている。戦国の時代に人と人とが殺し合うのは当たり前の話であり、ましてや敵国の武将同士ならなおさらのこと。
自分の腕の中で既に呼吸すら困難になってしまった想い人にただ涙を流すことしかできないのが歯痒い。なぜ真田や伊達のように共に生きることができなかったのか、殺し合う他にも方法があったのではないか、今となっては後の祭り。もう後悔したところで何も変わらないのだ。
「っ……元親…く、ん…すまない…っ」
身体中に付いた傷は全て自分が付けたもので、自分が負った傷はまさしく彼が付けたものだ。お互いがお互いに残した証がこんなものだなんて虚しすぎるが、それがこの時代のあり方なのかもしれない。
「は……ん、べ…」
「元親君…!?」
指1本動かすことも難しいほどの重傷を追っているのにも関わらず、僅かな力を込めて右手をゆっくりと白い頬に添える。ポロポロと涙を流す紫の瞳に隻眼は微笑みかけた。
「お前は…間違っちゃいねぇ……ただ、時代が…戦が、悪かった…」
「元ち、か…君…」
「また…もし、生まれ変わ…ったら…必ずお前を…探し出す……探し出して、やるさ」
「……っ」
「戦、のない…時代で……」
「待ってろ」
パタリ、と右手は力なく地面へ落ちた。
end
半兵衛は前世の記憶を覚えていて、元親はあんまり覚えてない設定。でも後々思い出して忘れてたことを半兵衛にネチネチ怒られたらいいと思います。
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*前次#
朝顔の夜