主に半兵衛受けのお話が多いです。
過去の悪夢はいつまでも
戦国、モブ半、自慰、捏造斎藤家
机の前に座って筆を手に取ったのは日差しが赤く染まってきた頃。戦のための資料を纏めるのが一段落ついた頃、障子越しに外の方を見ればいつの間か空は闇に染まっていた。つい先程まで聞こえていた兵士達の鍛錬の声や、下手人の忙しない声もすっかり静まり返り、唯一聞こえるのは遠くで鳴く梟の声ぐらいである。
「…少し休むかな」
半兵衛は戦の事となるとあまりにも集中しすぎて寝食を忘れ一日中部屋にこもる事も少なくない。そしてその度主である豊臣秀吉や、部下の石田三成達に口煩く説教をされる。秀吉はともかく部下の三成にまでとやかく言われるのは納得がいかない、と思いながらも我が身を心配してくれているということも分かっているため素直に聞き入れてやることにしている。
休憩がてら日中にかいた汗を流すために軽く湯浴みをし自室へ戻る。城の人間は見回りを除いてほとんどが眠りについているのか風呂場から部屋に向かうまで誰一人として顔を合わせることはなかった。後ろ手に襖を閉め、短くなった蝋燭を新しいものに変えると半兵衛は再び机の前で腰を下ろした。
静かな静かな夜、人も城も町も眠りについている穏やかな時間。大阪城に来てからは毎晩このような静かな夜が続いている。初めこそ違和感からか居心地の悪さを感じていたが昔のことを思えばこんなに心地よい夜を迎えられるなんてどんなに幸せなことか、改めて半兵衛はそう思った。
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斎藤義龍が治める美濃の国。主である義龍は毎夜半兵衛を稲葉山城へ呼びつけ、女人のように美しいその身体を貪った。男にしては細く白い身体は普段から斎藤家の家臣達から馬鹿にされてきたが、城主に抱かれている男という噂が城中に広がりついには女達までもが半兵衛を白い目で見るようになった。城を歩けば噂好きな侍女たちがひそひそと小声で話をし、軍議に出ればまるでそこに誰もいないかのような扱い。唯一名前を呼ばれるのは夜、主の部屋に呼ばれる時だけである。
「妾軍師」
いつしかそう呼ばれることが多くなっていた。
初めて身体を開かれたのは家督を継いだその日の晩。今後の竹中についての話をしたい、と呼び出され部屋に入った途端に組み敷かれ犯された。初めは必死に抵抗もしていた半兵衛だが「お前次第で一族が滅ぶ」と脅され、仕方なくそのまま行為を受け入れる覚悟を決めた。それからというもの、義龍は若い身体に味をしめたのか毎夜毎夜自室へ半兵衛を呼び付けた。時には一国の姫のような美しい着物を着せ、紅をさして化粧をさせたりと好き勝手に半兵衛を弄んだ。そして毎回部屋からは小姓すらも遠ざけて2人きりのその行為に没頭した。
だが、そんな苦痛の日々は一年程で終わりを迎えた。義龍が急死したのだ。
(これで終わるんだ、やっと…)
己の主が死去したのにも関わらず、不謹慎にも半兵衛の心は安堵で満ちていた。義龍から受けてきた吐き気がするような行為、屈辱…これでもう味わうこともないと。しかし、苦痛の日々は地獄の日々へと変わってしまっただけであった。義龍の跡を継いだ息子の龍興は当主としての力も家臣達からの信頼も無く、酒と女に溺れたどうしようもない男だった。そんな龍興は父の死後、義龍の「所有物」であった半兵衛を次は自分の玩具にしようと考えたのだった。
龍興は父の葬儀が終わった後、何を思ったのか家臣達を集め大広間で宴会を始めた。これには半兵衛も呼ばれいささか乗り気ではなかったが主の命令ということで渋々参加した。「義龍様を見送る宴だ」と重臣達は義龍の武勇伝を語り合いながら酒を飲み、料理を口にした。上座に座る龍興は上機嫌な様子で、自身の両側に女をはべらせ酌をさせている。程よく皆に酒が回ってきたところでおもむろに龍興が立ち上がり、半兵衛の目の前まで足を進めて来た。何事かと思えば突然ぐいっと細い腕を引き広間の真ん中にその身体を投げ飛ばした。突然のことに驚き周りがざわつく中、半兵衛は信じられない言葉を耳にした。
「親父がいなくなって寂しいだろ?今日からはここにいる全員がお前のこと可愛がってやるよ、感謝しな」
怯えながら主の顔を見上げると酷く楽しそうに笑って半兵衛を見下している顔が見えた。その口元で描く三日月が酷く歪んで見えた。
「一体、何を言っ…」
「ほーら、お前ら。好きにしちまっていいぞ」
半兵衛の言葉など聞かず龍興が合図をすればすぐさま数人の男が投げ出された身体へと群がった。その男達はいつも後ろ指をさしながら半兵衛を馬鹿にし、軍議ではその存在を全く無視していた連中だが、今その目は欲にまみれてギラギラと光っている。逃げなければ、直感でそう思った半兵衛だが鍛えられた男数人に拘束されてしまっては抵抗しようにもできない。されるがまま服を脱がされ胸を足を中心を弄られ、上にも下にも容赦無く欲望を差し込み身体を揺すられる。再び訪れた苦痛と屈辱に薄れゆく意識の中、上座から盃を片手に愉快愉快と声を上げて笑う龍興の笑い声が響いていた。
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机に肘をつき、小さな窓から雲間に見え隠れする月を見上げながら「妾軍師」と呼ばれていた時期のことを思い返した。ここにはそんなことを言う者も、半兵衛を馬鹿にする者も、その身体を好き勝手に貪る者もいない。確かな「安心」を今半兵衛は感じている。だが、染み付いてしまったものはそう簡単に消えないのが現実だった。
「はぁ……まいったな…」
下半身に違和感を覚えそこに手を伸ばすと触りもしないのに既に存在を主張する自身の欲望があった。無理矢理に開かれた身体は幾度も幾度も重ねた屈辱の行為に快感すら覚え、平穏となった日々の中でも意図せず疼きを訴えてくる。
「っ…はぁ……あ…」
堪らず裾を割って自身を取り出し先程まで筆を執っていた右手でゆるゆると上下に扱い始める。空いている方の手は着流しの間から膨らみのない胸をなぞり少し硬くなり始めた突起を弄り出す。
「ん…んんっ…」
皆が寝静まっている夜、だがいつ誰が声を聞き、我が身を心配して部屋に駆け付けるかも分からないため薄い唇を噛み声を殺した。静かな行為とは裏腹に脳裏にはあの屈辱と地獄の日々を思い浮かべる。同性である主に身体を貫かれ、家臣達からも弄ばれ、時には縛られ時には異物を使われ、声を上げずに眠りについた日はなかったのではないかと思うくらい毎夜受けてきた陵辱。思い返すだけで身体は火照り自身はより刺激を求める。右手からはぐちゃぐちゃと卑猥な水音が聞こえはじめ余計に興奮を煽った。
「っ………っあ…!」
尿道をぐりぐりと親指で潰すように擦りあげると細い身体を仰け反らせて、その手に白い欲を放った。肌けた着流しから覗くしなやかな足は小さく痙攣を繰り返し、張り詰めた肩は呼吸に合わせて上下に揺れている。拭うことすら気怠く、しばらくそのまま惚けていたがおもむろに白濁に汚れた己の手を月明かりに照らしてじっと見つめてみた。すると急に目頭が熱くなり、頬を一筋の涙が伝う。
「僕は……僕は、まだ…あそこに…」
美濃を離れて随分経ったが半兵衛の心は未だあの「稲葉山城」という名の牢獄に囚われている。忘れたくても思い出される刻まれた記憶と快感。吐き気がするくらい気持ちが悪いのに身体は勝手に求めてしまうのだ。
「誰か…助けて…」
膝を抱え誰にも聞こえない声で、半兵衛は一人泣いた。
end
斎藤家で酷い扱いを受けて身体を開発された半兵衛様を書いてみました。補足ですが、義龍は半兵衛を独り占めしたい人で龍興は自分の手は汚さず虐めたいっていう人という感じです。
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