主に半兵衛受けのお話が多いです。
滅びの獲物
双竜×半、鞭使用、戦国
視察のため半兵衛が数十人の部下を連れ城を発ち、早くも5日が経とうとしていた。とうに城へ戻っていてもおかしくない時刻を過ぎても帰ってこない半兵衛を心配し、秀吉は何名かの部下達を視察の地へ向かわせたが帰ってきたのは半兵衛と共に城を出た部下達全員の屍と、へし折れて使い物にならなくなった凛刀であった。直様秀吉は三成や吉継、左近達へと捜索の命を下した。だが、何の手掛かりも無いまま悪戯に時間だけが過ぎていった。「過去を振り返らない」そう誓った秀吉であるが、唯一無二の友である半兵衛の消息が絶えてしまったのは流石に堪える。だが、いつまで引きずっているわけにはいかない。大将が不安を露わにすれば部下の士気も下がり天下取りに支障をきたす。「どこかで区切りをつけねば…」そうは思うもののなかなか気は進まない。
「秀吉様…御心中お察し致します」
僅かな重臣達のみを集めた評定の場にて尚も険しい顔をしている秀吉に三成が声を掛ける。
「うむ…」
「申し訳ありません、あの日この三成もお供すれば決してこのようなことには」
膝の上でぎゅっと拳を握りしめて三成は項垂れる。己が同行しなかった後悔と、今もこうして何も手掛かりが掴めないでいることが悔しくて仕方ないのだ。
「気にするな。同行者は半兵衛自身が選抜したのだ。お前の過ちではない」
「しかし…」
尚も反省を述べようとする三成を一瞥して止める。
「それにしても半兵衛様は一体どこに行っちゃったんですかね…一緒に連れて行った連中も相当腕が立つ奴らだったのに、しかも残ってたのは凛刀だけ」
「何とも奇怪よなぁ」
いつもは飄々としている左近も流石に表情が暗く、声も落ち着いている。左近の言う通り、半兵衛が同行に選んだ部下達は豊臣軍の中でも腕の立つ者達ばかりでそう簡単に切られるような者ではなかった。それなのに全員がやられ、半兵衛は姿を消し、残っていたのは折られた凛刀のみ。あの軍の仕業では、近ごろ暴れ回っている賊の仕業では、それぞれの憶測が評定の場に飛び交う。
「半兵衛…お前は今、何処にいるのだ…」
飛び交う会話の中に、誰にも聞こえないくらいの声で秀吉が呟いた。
*****
目を覚ましたのは見知らぬ部屋の中。天井の木目も、床の畳も、部屋の置物や窓の位置全てが見たことのないものだった。やたら柔らかい畳だと思えばご丁寧に敷布団のみが敷かれ、自分はその上に寝かされていることに気付いた。覚醒していない頭を必死に働かせながら半兵衛は身体を起こそうと力を込めたが、どうにも上手く起き上がれなかった。そこでもう一つ気が付いた。いつの間にか戦装束は着流しに着せ替えられ、動かそうとした両腕は後ろ手に縛られていたのだ。
「これは…」
徐々に頭も冴え記憶も確かになってきた。視察に向かう途中、突然部隊の後方で響いた銃声。そこにいた全員が驚き、しかしながら落ち着いて武器に手を添え音の方向へ視線と意識を向けた。その瞬間、銃声とは反対の方角から大勢の兵士が現れ、今度こそ意表を突かれて驚いた部隊は総崩れした。多勢に無勢、奇襲を受けたなら尚のこと。選抜された腕の立つ部下達は斬りつけられ次々と倒れていった。それでも半兵衛達は生き残った僅かな手勢で懸命に抗う。その最中、半兵衛は首筋に違和感を感じた。そしてその途端に意識を失ったのである。
記憶を辿り思考を巡らせていると遠くから足音が二つ、近付いてくるのが聞こえた。その音が部屋の前で止まった時、障子越しに見えた二人分の影で半兵衛は確信した。
「開けろ」
一人が命じると側に立っていたもう一人の人間が即座に膝をつき、部屋と外とを仕切る障子を引く。そこに現れたのは隻眼の男、奥州の龍と呼び名の高い伊達政宗であった。傍で膝をつくのはその重臣であり龍の右目である、片倉小十郎。
「やはり君達が…」
状況が不利であろうと威勢は殺さない。警戒心を露わに半兵衛は二人を睨みつけた。半兵衛が準備に準備を重ねても、念には念を入れた策も、こうして右目の頭脳はあっさりと打ち破ってしまう。敵ながら天晴れと思う反面もちろん悔しさも覚えている。その頭脳を豊臣のために活かすことができればと何度思ったことか。
「Hey、竹中半兵衛…よく眠れたか?」
「…おかげさまでとても良く、ね」
「Ha!いいね、いい目をしてやがる」
あくまで強気な態度に機嫌を良くした政宗は半兵衛のすぐ側に腰を下ろしてくつくつと笑う。横たわる細い体を舐めるように見回して更に口元を緩める。
「戦国一の軍師が良い様じゃねぇか」
「毎度毎度、君達には手を焼かされるよ…」
「褒め言葉、と受け取っておくぜ」
「僕の部下達はどうした」
軽口を叩く政宗を相手にもせず、相変わらず鋭い瞳で隻眼を刺す。戦いの中で感じた首の違和感は恐らく毒針、目が覚めてからも僅かながらずっと痺れたような痛みが走っている。自分が毒針で意識を失っていた間、部下達はどうなってしまったのか。豊臣の未来のために必要な人間達だ、少しでも生き残っているならと希望を持ってはみたが返ってきた答えはそれをあっさり裏切るものだった。
「全員殺した、その場でな」
「…そうかい」
ほんの少しだが瞳の光が揺いだように見えた。
「生き残ったのはアンタだけだ」
「そうかい」
「何でか分かるか?天才軍師さんよ」
ニヤリと笑う政宗にそっぽを向いて「さぁね」と吐き捨てる。突然上体がふわっと浮き上がったと思えば隻眼と視線が合った。乱暴に掴まれた着流しの胸元に皺が寄る。お互いの鼻と鼻が付きそうなくらい顔を近付けると政宗は静かに呟いた。
「アンタが一番得意でお似合いなこと、とでも言えば分かるか?」
紫の瞳が見開かれ、今度こそ光が不安に揺れた。ちらりと小十郎に視線を向けると、嘲笑うかのように口元に笑みを浮かべられた。もう一度視線を戻すと黒髪の間から覗く隻眼がギラギラと光り半兵衛を捉えていた。この光を、この視線を、半兵衛はとてもよく知っている。
*****
「んん……ぁはっ…んぅぅ…」
部屋の中にくぐもった声とぐちゃぐちゃといやらしい水音が響く。白く柔らかい髪を振りながら半兵衛は政宗に口淫をする。それは決して自ら進んでの行為ではなく後ろ髪を掴まれて強引に前後に動かされる強制の下であった。仁王立ちで見下ろしてくる政宗の前に膝立ちをし、後ろに縛られた両手の代わりに口だけで硬くなりつつある魔羅を刺激する。
「チッ…もっと気合い入れてやんねぇといつまで経っても終わらねぇぞ」
「んっ…ぐっ……んんっ」
自分の意思に反して強引に喉の奥まで魔羅を突っ込まれる。えづきそうになるのを堪えながら唇と舌を使って必死に奉仕をする。とにかくこの苦しみから解放されたいという一心からであったが、それに気を良くしたのか政宗は時折半兵衛の髪に手を絡めて笑みを零していた。小十郎はというと何も言わず何もせず、ただただ無言でその様子を見つめているだかであった。まるで屈辱を受けている半兵衛を憐れに見下すかのような、冷たい目をして。
「また一段と良い顔してるぜ、竹中」
「…ふっ……ん、はっ…あ」
おもむろに口から魔羅を引き抜くと銀色の糸が伝い、酸欠になりかけていた半兵衛は激しく咳き込んだ。屈み込みそうになる体を無理やり起こさせて再び目の前に魔羅を突き出す。
「ほら、舌出して舐めろよ」
「はぁ、はぁ……っ…」
息を整える暇もなく半兵衛は口を開けて魔羅の先端、そして裏筋をなぞるように小さく赤い舌を這わせた。そのあまりの妖艶さに思わず政宗もごくりと喉を鳴らして唾を飲んだ。花町の女達ですら敵わないのではないかというほどの色気、思わずハッと笑いが溢れた。
「さすがだ、竹中半兵衛…あの蝮の一族と猿に随分仕込んでもらったみてぇだな」
感心と嘲笑を交えて言えば上目遣いながらキッと睨まれ、魔羅から口が離された。唾液か先走りか分からない液体で半兵衛の口元は汚れているが、そんなこと気にもとめず半兵衛は静かに怒りを露わにした。
「秀吉は、君達のように僕を弄ぶ愚かな輩とは違うんだ。そんな目でしか僕のことを見れない人間達と一緒にしないでくれ」
「ほぉ…」
政宗は笑みを崩さず感嘆の声をもらす。そしてすっと右手を上げるとそのままぱんっと乾いた音を立てて半兵衛の左頬を叩いた。突然のことで目を見開いて驚いたが音と反転した視界と痛みで叩かれたのだということはすぐに理解した。顔を起こす前にまた後ろ髪を掴まれ無理矢理視線を合わせられる。体勢が悪く息苦しいのと、髪を掴む力が強く痛みで顔が歪む。
「っ……いっ…」
「頭はいいくせに、ご主人様が変わったことが分かってねぇみたいだな?軍師サマ」
「なに、を言って…」
「おい小十郎」
呼ばれてやっと動いたかと思うと、小十郎は懐に手を伸ばし手の平に収まるくらいの小さな入れ物を取り出すと政宗にそれを渡した。この状況で出されるこの入れ物、何も言わずともその中身を半兵衛は分かっていた。髪を離し無理矢理足を開かせると入れ物からぬるりと軟膏を掬い上げ、尻の間の窄まりに塗り込んだ。
「ふっ……うぅ…」
「どうした、もう感じてんのか」
「まさ、か…っ」
一本、二本と中を弄る指を増やしていく。その動きは愛でるようなものとは違い、ただ単に後の挿入を楽にするためだけの動きだがそれにすら反応してしまう自身の体を半兵衛は呪った。六本もの刀を扱うその手は逞しく太く、時折前立腺をごりっと掠められ甘い声が漏れそうになるのを必死に堪える。血が滲みそうなほど噛み締めている唇の上に舌を這わせながら政宗は半兵衛の中を解していく。
「んっ……ふ、っっ…」
「ま、こんなもんだろ」
ずるっと指を引き抜かれ安堵したのも束の間、再び視界はぐらりと反転し今度は政宗が寝転がり、その上に半兵衛が跨るように座らされた。僅かに紅潮していた頬はさらにかっと赤くなり知らぬ顔は動揺していた。
「な…!」
「馬乗りは得意なんだろ?ほら乗りこなしてみな」
「………っ」
悔しさのあまりぐっと唇を噛み締めながら、抵抗するだけ無駄だとも分かっているためおずおずと魔羅を窄みにあてがった。手が使えない分上手く入れることができず何度も何度も焦らすように先端を窄みで擦るだけになってしまう。痺れを切らした政宗が半兵衛の細い腰と自身の魔羅に手を添え、容赦なく一突きで半兵衛の中を貫いた。
「あ゛っ…!」
「っ…は、さすがにきっついな…」
突然のことで体を硬直させる半兵衛を気に留めず、そのまま両手で腰を掴んで白い体を上下に揺さぶる。抑えられなくなった声が突き上げる度に溢れるのが面白いらしく、子供のように楽しそうな顔で、だが確かに雄の目をして半兵衛を突き上げる。
「あっ…は、んんっ…い、あっ」
半兵衛の意思とは関係なく目尻から涙が伝い汗とともに政宗の鍛えられた腹筋を濡らすさまがこれまた堪らなくいい。ぐっと上体を起こして後頭部に手を添え、開きっぱなしになった口に深く口付ける。
「んん…っ…ん、ぅぅ…」
苦しそうに声を漏らしながら逃げようとする舌を絡め取り口内を舐り上げる。時折掬い上げた舌を甘噛みするとびくりと体を震わせる様子が小動物のようで不意に可愛いとも思ってしまった。
「んっ…は…」
「Ha!最高だぜアンタの体も顔も声も、全部な」
「…っ」
「今日から俺のもんだ、全部俺のもんだ」
強引な行為に体力を奪われしばらくぼーっとしていた半兵衛だが、不意に「ふっ…」と吹き出して笑った。場に似つかわしくない笑いに政宗も小十郎も眉間に皺を寄せる。
「何が可笑しい」
「可笑しいとも、滑稽だ。やはり君は龍だなんて大それたものじゃないんだね」
「…どういう意味だ」
急に不機嫌になってしまった政宗を体位のおかげもあって見下ろしながら半兵衛は続ける。
「僕に執着し僕を閉じ込め辱めた蝮の血は滅亡した。愚かにも彼らと同じく僕に執着し僕を手の内に収めた…そんな君も所詮あの斎藤家の一族と同じ、ただの『蛇』に過ぎな…」
全て言い終わる前に半兵衛は酷く咳き込んだ。発作ではない。ずっと部屋の隅で正座していた小十郎が愛刀を手に取り鞘のまま半兵衛の鳩尾めがけて振り下ろしたのだ。器用にも政宗と半兵衛の上体を一旦引き剥がしてから。着流しだけではまともに受け止められるわけもなく、もろに鳩尾へ食らってしまった激しく咳き込む。倒れそうになる体を無理矢理起こして小十郎は殺気立てながらその細い首筋を片手で掴む。
「がっ……は…」
「てめぇ、それ以上政宗様を侮辱してみろ…二度とその減らず口きけねぇようにしてやる」
「ぅ゛っ…」
殺しはしないが確実に苦しめるように首を絞める小十郎。その殺気とは打って変わって嬉々としながら上体を起こした政宗はその腕に手を掛けて「もういい」と制した。しぶしぶ小十郎は手を引いたが政宗が続けて「おい、あれ使うぞ」と命じるとニヤリと笑って「御意」とだけ呟き部屋の隅で何やら支度を始めた。酸欠で再び咳き込みながらも一体何が行われるのかと思っていると、不意にまた下から突き上げられその思考は遮られた。
「余所見してんじゃねぇよ」
「あっ……ん、あぁっ…」
「首絞めてる時って本当に中締まるんだな、ほらさっきみたいに締めてみろって」
「い、あ…そん、なっ…無理…」
銀色の髪を揺らしながら首を左右に振る。ならせめて自分で動け、と言うように尻をぱんっと叩かれると半兵衛も不本意ながら腰を使って政宗の魔羅を上下に擦りあげた。その間政宗は半兵衛の帯を解き、着流しをはだけさせ上半身も下半身も露わにさせた。白い両足の間の魔羅は政宗よりも小さいが確かに存在を主張させている。そこに手を添え先端から根元までずりっと扱えばさらに甘い声が漏れた。縛られている手首に引っかかっているだけになった着流しをギュッと掴み半兵衛は快感に溺れないよう耐えている。
「はぁっ…んっあっ…ひぃ…っ」
「ほら気持ちいいだろ、もっと啼けよ」
いつもは白く不健康そうな体も紅潮し、しっとりと汗ばんできていた。そろそろ限界が近い、そう思った時パァンと乾いた音と共に背中に焼けるような痛みが走った。
「い゛っあ゛ぁぁぁぁっ!」
目を見開いて背中を弓のように仰け反らせて半兵衛は叫び声を上げた。半兵衛のすぐ後ろでは先程の殺気は残したまま口元に笑みを浮かべた小十郎が立っていた。その手には馬を調教する時に使う鞭のようなものが握られている。
「どうだ竹中、痛えだろ」
「馬用の鞭を改造した特注品だぜ、とは言っても痛みはかなりのもんだがな。癖になるなよ」
「や……め……」
体を震わせて懇願するも見向きもされず小十郎は再び鞭を振り上げた。
「ひっ…っあ゛ぁぁぁぁぁああ!」
「良い声出せるじゃねぇか」
「いっだぁっ…んあっ…やめ、い゛ぁぁっ゛!」
「おい、小十郎。死なせるんじゃねぇぞ?」
「もちろんです、手加減は随分昔に覚えました」
涙と汗と涎でぐちゃぐちゃになった顔を片手で撫でながら、政宗は下からの律動を止めず半兵衛の魔羅への刺激も止めずに続ける。鞭の音が響き半兵衛が声を上げる度に肉棒を咥えるそこはぎゅっと締まり政宗を刺激する。快楽に浸る間もなく後ろから激痛が与えられいよいよ半兵衛も正気を保つことができなくなりかぶりを振りながら必死に懇願する。
「い゛っ!…ごめんなさいぃっ……あぁっ…あ゛ぁぁあっも、許し…ひぁっ…あ゛ぁぁっ!」
「聞こえねえな」
鞭を振り下ろすたびに体は反り、突き上げと魔羅を扱う快感から何度も何度も体をびくつかせて悲鳴にも近い声を上げ続ける。徐々にその声は枯れ始め、失った正気のせいで言葉を紡ぐことすらできなくなってしまった。
「い゛っん゛ぁぁっ…あっ、ひぁっ……あっあ゛ぁぁぁぁぁぁ!」
「っ…く…」
一度大きく仰け反り、体をびくつかせながら半兵衛は欲を放つ。それと同時に政宗もその中へ己の欲を注ぎ込み、気を飛ばし倒れ込む細い体を抱きとめた。
ずるり、と魔羅を抜くと小さく声が漏れた。動かなくなった白い裸体を布団へ寝かせると、意識はないもののびくびくと痙攣しながら小刻みに残った白濁を吐き出す。布団の背中がついた部分にはじわりじわりと血が滲んできていた。背中の皮が剥けてしまったのだろうか、かなりの量の血が出ている。
「小十郎…」
「死んではおりませぬ、ご安心を」
「やりすぎだ、明日から使いもんにならなくなったらどうすんだよ」
「それでも使うのでしょう」
「…まぁな」
半兵衛の白濁が付いた手を小十郎から渡された手拭いで拭きながら、また子供のように嬉々としながら政宗が呟く。
「龍ってのはそう簡単には地に堕ちやしねぇもんだって教えてやるよ」
end
双竜はドSだといいなって思いながら書きましたら、まぁまぁ長くなってしまいました。一番書きたかった鞭バシバシのシーンが一番短かったかもしれません。
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朝顔の夜