目を覚ましたら知ってるようで知らない天井だった。あれ?何であたしここで寝てるんだろう?起き上がろうとしたら心臓らへんに鈍い痛みを感じるなと思って見ると、あれま、なんてこった。

「何この服!激ダサ!入院患者みたい!」

みたいってかもうそのまんま。あ、そっか。昨日あたし自分から撃たれにいったんだっけ?我ながらアホなことをした。で、まぁ治療して助けてくれたみたいで?なのに部屋には誰もいないと?

「探検しよっかな」

起き上がってベッドから出るのはいいんだけど、なんし痛い。そこは自業自得だと言い聞かせ滅多にお目にかかれないマフィアのアジトを探検することにした。

ドアを開けると前には長い廊下。廊下の真ん中に敷かれたこの絨毯?シート?はとても肌触りがよかった。あたしは裸足のままペタペタと屋敷内を歩き回る。って言っても奥に進むだけだけど。

一つの大きなドアの前で立ち止まったあたしは文字を読み上げた。

「び…ぶ…り、お、てか?」

"BIBLIOTECA(ビブリオテーカ)"と書かれたそこを開くと膨大な数の本棚と机があった。

「わぉ…ここって図書室?スゲー!デカー!さすがマフィア!」

あたしは早速表紙だけ見て気に入った本を4〜5冊持って日当たりのいい場所で読み始めた。…のはよかったんだけど、何しろイタリア語で書かれているのでわかりません。挿絵だけ見てても面白いんだけどなんだかなー、と思ってたらなんだか眠たくなってきた。

あーここホントいいわ!明日からあたしの秘密基地にしようかしら!日当たり良好!騒音なし!ちょっと堅いけど枕は本!夢の中ではイタリア語がペラペラだといいな!と思いながら温まる背中に眠気は増幅され幸せの絶頂!

冒険後の安息

部下がオレの部屋に焦りながら入ってきた。なんだ?敵の襲来か?!

「ボス!あの女いやせんぜ!」
「なんだ、そっちかよ」
「まさか逃げ…」
「いや、あの怪我では逃げられないだろう。それに門には必ず見張りがいる」

自分から信じろって言ってたのに逃げるわきゃねーと思うし。

「じゃあ一体どこへ?」
「うーん…そーいえば確か、あいつを寝かせていた部屋の近くには図書室があったような」
「そこにいるとでも?」
「いや、わかんねー。なんとなくそんな感じがしただけだ」

一応行ってみるか、と言い今まで仕事をしていたデスクから離れ部下と共に図書室へ急いだ。

「…すー…すー…」
「「………」」

いた。寝てた。そりゃもう人の気も知らねーで気持ちよさそうに。ホントにこんな奴がオレの命を狙う敵なのか?いや、違うと思う。

「…この女、こんなとこで寝やがって。どうします?起こしますか?」
「いや、寝かせといてやれ。オレが運んで行くさ」

俗に言う姫抱っこってやつでオレはそいつを自分の部屋まで連れて行った。部下が危ないだの危険だのヘチマだの煩かったがオレはここのボス。ボスにできないことはない。

「オレが殺られるようなヘマするかよ」
「…(部下(俺ら)がいたらの話ですけど)」

オレの仕事部屋にあるデカくてゆったりしたソファーの上に寝かせて毛布をかけてやる。目を覚ましたら、お前どんな反応を見せてくれんだろーな?

(やべ、仕事に集中できねー)

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