起きたらそこは秘密基地ではなくて薄暗い部屋のソファーの上だった。体には毛布がかけられてて、ますますわけがわからない。ソファーから体を起こして振り向くと仕事をしていたであろうディーノが机に突っ伏して寝ていた。あれ?何でディーノいんの?ここディーノの部屋?

まだ自分があの入院患者の服を着ていたのに多少笑いながら、寝ているディーノに自分が使ってた毛布をかけにいった。

「こんなとこで寝るなよな、って人のこと言えないけど」

ディーノが目を通していたであろう書類には止まったままの万年筆のインクが丸いシミを作っていた。これダメだよね?大事な書類ならダメだよね?ゆっくりとディーノの指から万年筆を取り出し、フタをして書類の横に置いた。起きる気配のないディーノをいいことに部屋を見渡してみた。

「(マフィアのボスのくせにこんな無防備でいいわけ?)」

しかしカッコいいな、と思いながらこの部屋の薄暗さにも目が慣れてきて見渡すと、結構散らかってる。床には紙が散乱してるし脱いだ服もそのへんにポイしてるし、机の上には本が積み上げられてて今にも崩れそう。片付けてあげようかと思ったけど勝手にいじられて困るものもあるだろうと思い結局そのままにしておいた。テラスがあるのに気付き外へ出てみたらそこは。

「うわぁ…すごい、キレー…」

キラキラと輝く星が空いっぱいに広がり、いつもより星が近くに感じた。空から視線を地に戻せば今度はイタリアの夜景が向こうの方まで光っている。

一人ではしゃいでいるとさっきまで寝てると思ってた人から声をかけられビックリした。振り向けば目の前には鮮やかな金色。

その輝きは空と地にも劣らない

少し冷えた風が部屋に入ってきて目が覚めた。どこか開いてるのか?と寝ぼけた頭で考えながら起きると背中から何かが落ちた。

「毛布?」

これはオレがあいつにかけてやったものなんだけどな、と思いソファーを見るといない。

「(また消えた…)」

部屋を見渡すと一箇所だけカーテンが揺れてるとこがあった。足をそこに進めると、いた…。

「こんなとこで何やってんだ?風邪引くぞ?」
「うわぁ!ってビックリしたなぁ。ディーノか」

悪いかよと悪態つきつつ、目を擦りながらそいつの元へ行った。

「起こしちゃった?」
「いや…ってかオレ寝てたんだな」
「うん。寝癖と寝跡が酷いよ」
「え!?」

焦って直すオレをクスクスと笑うこいつを見ると普通の幼い少女に見えた。オレが騙されてるとかそんなんじゃなくて。

「ディーノの髪はさ」
「ん?」
「この星空よりも、この夜景よりも、ずっとずっと綺麗だね」

そう笑ったコイツの横顔に一瞬でも見惚れてしまったのはここだけの話。

(だって敵だったらどーするよ!)

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