それはある日の夕暮れのこと
私情で円堂らと離れ1人
沖縄へとやって来た
こんな時になぜと思ったが
断れる勇気もなくここまでやってきた
のだが暇すぎて抜けてきた私
海沿いを歩いていると
海の方からヒャッホーイ!
と声が聞こえたらしくそこへ
向かうとそこには
先程海にいたであろうサーフボードを持った少年が立っていた
なんだサーフィンか、と私は
また先程の場所へ戻ろうと足を運ぼうと
1歩踏み出すと少年の声が後ろから聞こえた

「うぉーい!海に用あるなのかー?」

私に声をかけているのか、と振り向き自分に指をさすと彼は不思議そうにお前しかいないだろ?と私に大声でそう答えながら私の方へ走り寄ってきた。
褐色肌にピンク髪の一見チャラそうな少年。
まぁどうにしろ彼のような人はサーファーというのだろうか。

「…別に用はないですけど。ただただ歩いてただけです」

一応初対面であるから敬語で話す。
あっちはそんなことお構い無しにタメ口であるが。たぶんフレンドリーな性格なのだろう。そう勝手に解釈する
ふーん?とまだ少し疑っているが
それは一瞬のことですぐににっと笑っていた。

「まっいっか!俺は綱海条介だ!お前は?」

名前も聞いていないのに名前を名乗ってきたのだがたぶん何かの縁だと感じたのだろう。
仕方ない、私もしなければならないのか。

「…向坂秋穂、です」

私なりに精一杯の表情と声質で
そう彼に名前を告げる。
無理もない、自己表現が苦手なのだ。
顔がひきつってようが引きつってまいが
やるしかない。
するとなにやらどこが気に食わないらしいのか眉をひきつり悩んでいる綱海さんがいた

「なにしてるんですか」

「それだそれ!敬語やめろ!俺堅っ苦しいの苦手なんだよ!!」

そう悩んでいる彼に敬語でそう伝えると
ビシッと私の目の前に人差し指を向けられる
…フレンドリーな人は普通に堅苦しいの苦手なんだななんて勝手に思いながらも
はぁ…?と呟く

「俺が年上でも別に気にしねーぜ!てかタメ口で話してもらった方がありがてー!」


ビシッと親指を立てそう話す彼に
なんというか潔いい…のと同時に
羨望、憧れという気持ちが込み上げてきた
私も綱海さん…いや綱海みたいな性格だったらな、と思い始めた

「わかった。綱海、と呼ばせてもらう。…あとポーカーフェイスなのはいつものことだから気にしないで」

「おう!よろしくな、秋穂!」







それから数日後
円堂の仲間として再会したのは
また別の話である







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