未来

「うぁぁぁ!!助けてぇ!!」

「死にたくないよ…!!!」

最悪だ。
敵が現れるなんて…
しかもヒーローが不在だ。
そのため必死に避難を呼びかけているが俺1人応援要請したいのに電波が届かない。
電気たちにメールを送っても送れませんでしたの一点張り。
なんで繋がらないんだ…!!

『落ち着いて!!あそこのビルの地下に!!』

でも焦ってる場合じゃない
俺しか…俺しか守ることが出来ないんだ
守る立場の俺が弱気になったらもう終わりに決まってる!!
超強運の個性しか持ってないただの運を使いこなすだけの役立たず野郎だけどなんとかしてもこの状況を打破するんだ!!

「きゃぁっ!!」

叫び声が聞こえてその方向を見るとそこには
コケた少女とその前には敵の姿が。
っ…!!だめだ!!
無我夢中になり少女の目の前に立つ。
何としてでも守らないと…。

「なんだ貴様」

『何だっていいだろ!!くたばれ!!』

「くたばるのは貴様らのほうだ」

そういって俺に手を出そうとした敵が何故だか知らないが倒れていった。突如降ってきた瓦礫のせいだろう。
…いやしかしどこから降ってきた?
少女をだっこしキョロキョロと見回すと
後ろから死ねぇぇ!と声が聞こえた。
後ろを向くと俺に攻撃を仕掛けようとした敵をぶっ潰してる爆豪の姿が。
次々と元A組のメンツが現れた。

「四葉くん!大丈夫っ!?」

緑谷に

「四葉さん、もう大丈夫ですわ!」

八百万さんに

「…あまり無理はすんな」

轟くんに

「ヒーローっぽいじゃん」

耳郎さん…

なんで、応援要請が出来なかったのに?
繋がらなかったのに…来てくれたんだ…?
不思議がってると

「逃げてきた人が俺のいる事務所に教えてくれたんだぜ!…コウの頑張りが俺らを繋げたんだ」

後ろからポン、と俺の肩に手を置いた人物は電気だった。
くそ…カッコイイじゃねーかよ…電気野郎…

『カッコつけんな…電気』

「へへ!!いいだろ!!…んまぁここからは…」

「「「「俺(私)らに任せろ(てください)!!」」」」

威勢のいい姿で俺に向かって拳を向けるA組。
分からないけどジワッと涙が出る。
何故か胸が高まってくる。

『頼んだぞ…(元)A組!!』

にっと笑って敬礼をする。
それが俺にとってあいつらに出来る最高の敬意だ。
敵に立ち向かうA組を見届け避難誘導をしようとする俺に抱っこをしていた少女の


「おまわりしゃん…わたしもヒーローになれるかな…?」

この問に彼は

『あぁなれるさ!あいつらみたいなヒーローに!』




そう答えた彼の笑顔に少女はまさにヒーローに見えた



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