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高校生の氷室君とは実に順調だが紫原君は相変わらず私に敵意をむき出しだ

そろそろどうにかしたい
今思えばこれは夢なのだ

ならばもっと積極的になっても良いのではないのだろうか


「紫原くーん」


放課後、彼を部活に連れ出すべく校内を探し回り
やっと見つけたので声を掛けたが相変わらず不機嫌そうな顔をしていた


「なに」

「部活いこーよ」


あ、また眉間の皺が深くなった


「あんたさ、本当なんなわけ?」

「いやぁ、一応マネージャーだし」

「室ちんと付き合ってる癖に」

「は?」


何時も通り噛みついてきて
何時も通りの応酬だと思ったら今日は違った

まさかの氷室君の話が出たのだ


「誰から聞いたの?」

「見てればわかっし
マネージャーになる前からやたら部活に行かせようとしてた癖になんなの?
それで室ちんと付き合っても変わんないとか意味わかんねーし」


見るからに苛々とした様子で乱暴に言葉を吐き捨てる紫原君を見て
私はやっと理解出来た気がした

もしかして

これは


「ねぇ紫原くん」

「何?つか何ニヤニヤしてんの、超苛つくんだけど」







「私の事、好きでしょ?」


あぁ、思わずにやけてしまう。