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▼ジェミニ没案02

記憶がないまま恋人になったら。
※そこそこ短い
 
僕は隠し事をしている。

「…っん」
「…ん…ぁ…」

僕達は、あれから毎日のように口付けて、口移しで火を送り合っている。今では、彼女の方から僕の首に腕を回してくれたり、舌を絡ませてくることもあるほど積極的になった。
僕達は、恋人になった。正確には、“妹”としての記憶がない彼女と。きっと事前教えていたら、或いは思い出していたら、こんな間柄にはなれなかっただろう。

だからこそ、本当にこのままでいいのか、ずっと悩んでいる。将来的には、僕達は結婚することができない。それは国の仕組みだから、ここにいる限りは適用はされないかもしれないが、問題はその先。僕達は、子供を作ることができない。いや、作ること自体は可能ではあるが、血縁の近い間柄で作った子供は、先天性の病気や障害を持ち、短命になる可能性が極めて高い。三親等の例で既に高確率なのだから、兄妹ならほぼ確実に、だろう。これをずっと伏せていけば、もし妊娠させてしまったら堕ろすことになるし、生んでもすぐ亡くなってしまう。それが何回もとなれば、もし彼女が子供を欲しがった場合、何度も辛い思いをさせることになる。
僕達は二人で結ばれるより、それぞれ別の相手を探した方が、きっと幸せになれるのだろう。
でも、それでも離れたくなかった。やっと僕を見てくれた彼女のことを手放したくなかった。ずっとこうなれるのを待ち望んでいた。いつしか本当のことを思い出せば壊れてしまうのに。これから辛いことが何度も起きるのがわかっているのに。

「リオさんは卑怯です」
「え、ひ、卑怯…?」
「リオさんがお願い事する時、いつも泣きそうな顔するじゃないですか。あんな顔されたら断れないです」

確かに、そうかもしれない。彼女に拒絶されるかもしれないと思うと、思い出すかもしれないと思うと、怖い。その恐怖が顔に出ている可能性はある。

「その…すまない、そういうつもりは」
「私に出来ることなら断ったりしませんから、あんな顔しなくても」
「…しかし、無理をさせているようで申し訳なく…」
「無理でもいいんですよ、リオさんが辛いなら、無理してでも引き受けます」

そんな言い方をされたら、困るじゃないか。

2019/12/24

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