▼ジェミニ没案03
幼少期。本当は8話冒頭に入れる予定だった。喧嘩して仲直りする。
※そこそこ短い
僕達は、喧嘩をすることがあまりなかった。けれどその分、一度衝突してしまうと止まらなかった。
「リオっていっつもそうだよね!私と同じものばっかり!少しは自分で考えたらどうなの!?」
「僕だって考えてる!君と同じことが多いだけだ!君の方がよく考えて行動したらどうなんだ!不注意ばかりで助けるこっちの身にもなってくれ!」
「助けてなんて言ってない!別に平気だから放っておいてよ!なんでいつも近くにいるの!?一人になりたい時だってあるのに!」
お互いがお互いの弱点を知っているから、どう言えば相手が一番傷つくか、的確に突いた発言が幾らでも出てきてしまう。
だから、言い合いの後はお互いに心が傷ついてボロボロだ。心の支えが必要になる。例えば、いつも一緒にいる相手のような。
「……だって、リオが無理して私に合わせてるんじゃないかと思って」
「…僕が?」
「リオも好きなもの、頼んでいいんだよ?」
「無理なんかしてない。本当に君と同じものが欲しくなるだけだし、君と同じの方が、落ち着くから」
怒っていたら、怒ってしまう。落ち着いて話せば、僕も落ち着いて話せる。僕達は自分の気持ちを目の前の自分に映している。
「…それなら、いいよ」
「嫌じゃない?」
「嫌とかはないよ。リオが本当に一緒がいいなら、それでいい」
ちゃんと理由を話せば、分かり合えた。衝突したことで、より相手のことを理解できた。僕は君を、君は僕のことをいつも考えているから、強く想っているからこそ起きることなのだと確信していた。まだ、この時までは。
「…ごめんね、リオ」
「僕も、ごめんね」
僕達は、お互いの存在が薬であり、最大の凶器でもあったのだ。
2019/12/24