ヒバニーとヌメラ


「君って足遅いよね」
「なにを〜!」

ある時、ヒバニーに歩みの遅さをバカにされたヌメラは、ワイルドエリアのげきりんの湖までかけっこの勝負を挑みました。

「ボクをバカにしたこと、後悔させてやる!」
「そんなこと言っていいのかな〜♪」

かけっこを始めると予想通りヒバニーはどんどん先へ行き、とうとうヌメラが見えなくなってしまいました。
そしてゴールしました。

「はいカット〜〜〜」
「ナナシちゃん…やっぱり無理があるんじゃ…」
「でもキャスティング限られてるし」

「へっへーん♪」
「くっそー!なんだよなんだよ!みずでっぽう!」
「あっ、卑怯だぞ!」

「ヌメた、腹いせにみずでっぽうしてる…」
「んもう。お芝居なんだから本気で怒っちゃメッ!」
「俺のウールーならどうだ?」
「ウサギじゃなくなっちゃうじゃん」
「物語が破綻するよりいいと思うぞ…」



〜テイク2〜

「キミって足遅いんだ」
「なにを〜!」

ある時、ウールーに歩みの遅さをバカにされたヌメラは、ワイルドエリアのげきりんの湖までかけっこの勝負を挑みました。

「あ、転がって行くのはナシね」
「(僕だけハンデありなの!?)」
「ウールー頼む。これじゃいつまで経っても撮影終わらないんだぞ…」

かけっこを始めると予想通りウールーはどんどん先へ行き、とうとうヌメラが見えなくなってしまいました。
そしてその勢いでゴールしました。

「ウールー意外と足早っ」
「とっしんも得意だからな」
「でも止まれないと意味ないよ」

「あ、あの、ヌメた」
「……みずでっぽう!」
「うわあ!?」

「ナナシちゃん、他に競争相手を見つけようよ」
「でも他にいなくない?サルノリも身軽だし、ココガラは空専門だし」
「こんな時はアニキに相談しようぜ!」
「ええー…(リザードンの予感しかしない)」

「話は聞いたぜ!俺のリザードンが手を貸そう!」
「(やっぱりだ…)…まあ絵面的には映えるしいっか」
「いいの?(切換え早いナナシちゃんかわいい♡)」
「いいのか?(アニキ誘った俺が言うのもなんだけど)」



〜テイク3〜

「ようチビすけ。お前、足遅いんだってな」
「なにを〜!」

ある時、リザードンに歩みの遅さをバカにされたヌメラは、ワイルドエリアのげきりんの湖までかけっこの勝負を挑みました。

「ボクをバカにしたこと、後悔させてやる!」
「言うじゃねーか」

かけっこを始めると予想以上にリザードンの振動が大きく、とうとうヌメラが酔ってしまいました。

「ちょ、ヌメた大丈夫!?」
「うぇぇ…なんだよこの揺れ…」
「すまない、そこまで考えていなかった」
「俺ぁ悪くねーだろダンデ」

「主演がひんしなので撮影は中止です」
「でも上映は今週末だぞ。どうするんだ?」
「パペットムービーにしよっか」
「(最初からそうすればよかったのに)」
「(あっさり諦めるナナシちゃんかわいい♡)」
「俺も協力するぜ!」

こうして、パペット人形を(主にホップくんが)作り、撮影は無事終了。
幼稚園での上映会も大盛況に終わりましたとさ。

「実写はハードルが高いなあ」

めでたし、めでたし。



〜メイキング映像 トレーナー編〜

「ホップって裁縫も得意なんだ。あたしも一応できるけど」
「えっ、ナナシちゃんできるの?」
「(あんま手先器用なイメージないぞ)」
「うん。ほらヌメた」
「……(微妙!そんなナナシちゃんもかわいい♡)」
「……(やっぱり微妙だ)」

「俺もできたぜ!」
「リザードですか?」
「ヒトカゲだ!」
「あ、はい(てかリザードン用意するんじゃないんだ)」
「……(ダンデさんもやっぱり下手なんだ)」
「…あのさ、俺まとめて作るぞ」



〜メイキング映像 ポケモン編〜

「ナナシのお手製人形!ボクの宝物だ〜い!」
「ユウリちゃんだって作ってくれたもんね〜!」
「僕も僕も!ほらモコモコだよ〜!!」

ワイワイ キャッキャ

「俺だけ進化前かよ」



2022.08.03