彼が家に帰る理由(ワケ)


同居人がいない。
帰路につくアルハイゼンの歩調は心なしかいつもより早かった。
沈黙を好む彼が自分一人の我が家へさっさと帰るのは当然のことと言える。

「おかえりなさいませ!」

実際には、それ以外の主たる理由があるのだが。

「ただいま。ナナシ」

鍵を差し込むより前に察するのはいつものこと。
愛らしい猫耳の少女は、愛らしい笑みで無表情な男を出迎えた。

「留守の間、何事もなかったか」
「はい!」

彼の帰宅がとても嬉しいらしく、黒い尻尾は小刻みに揺れている。
視界にそれを収めた書記官はわずかな笑みを浮かべた。

「寂しかったようだな」
「……はい。今日は、カーヴェ様もいなくて」
「だから早く帰って来た。あいつもいると何かと五月蠅い」

うつむいた彼女の顎をすくい、カチリと瞳を合わせる。

「今日は、俺だけだ」



とある雨の日、ヤザダハ池に落ちた黒猫を拾った。
目覚めた彼女は記憶がなかった。
名前しか持たぬ、まっさらな少女。
彼女を見た瞬間にアルハイゼンは思った。見つけた、と。

「ご、ご主人様…♡」

己の情を注ぐ相手を。

「どうするか、教えただろう」

愛情、恋情、欲情。
無機質めいていようと、彼も人間である。
理性が如何程に強靭であろうと、ヒトの持つ性質を放り投げるのは難しい。
だが特段その相手を探し求めていたわけでもなかった。

「は、い…♡」

ナナシは素直で従順だ。
なぜなら彼女は何も持たない。
新しい生き物を自らの手で一から作り上げる、快感と愉悦。
しかしこれは研究者の実験などでなく、純然かつ稀有な愛の育みだとアルハイゼンは知っている。

「ご、ご主人様…♡ どうぞ、ご堪能ください…♡」

興奮で頬を染めながら、ナナシは自らスカートの裾を持ち上げた。
彼女に似合うだろうとわざわざモンドから取り寄せてやったメイド服。
『君も相当だな』と呆れていたカーヴェが、いざ着せてみると自分以上に盛り上がっていたのも記憶に久しい。

「あぁっ!♡ 〜〜っ、ぁ、あ〜♡」

メイドの真似事をさせるようになったのは、彼女の従順さにそれこそよく似合うからだ。
自分の言いつけを健気に守るナナシがアルハイゼンは愛おしい。
事実今も、敏感な秘所を舐められ崩れ落ちそうになりながら必死に堪えている。

「んあ゛っ♡ う、うぅ〜〜〜っ、〜〜〜っっぁ!♡」

ぬぷぬぷと舌を差し込みながら、鼻先で陰核を刺激し、軽い絶頂を促す。
案の定ナナシはすぐに一際高い鳴き声を出して甘いエクスタシーを迎えた。

「あう♡ っふう…♡」

余韻に浸る彼女をアルハイゼンはダイニングテーブルに転がし、次を待っている。
主人が求める行動を察したメイドは、M字に足を開いてから、濡れたそこを細い指で広げた。

「ご主人、さま…♡ ナナシのおまんこは、ご主人様のもの、です…♡ お、おすき、にっ…して、ください…♡」
「ああ。お前は覚えが良くて優秀だ」
「っみぅ゛っ!♡ ぅぁ゛〜〜〜!♡ ひ、〜〜ぐうっ♡」

しゃがんでから剥き出しにされたクリトリスをぢうっときつく吸い、唇で扱き上げる。
いつもは邪魔者のせいで満足に口淫もできない。
だから今日は存分に堪能するのだと、ひたすら彼女の言葉通り好きに責め立てて。

「っ゛、っ〜い、ぃくっ♡ いくの、らめ、ぇ!♡ いぐっ♡」
「好きなだけイって構わない」
「ら、めっ♡ ぉっ♡ 〜おひっこ、れちゃうううう゛♡」

思考も服装も秘部もぐちゃぐちゃになりつつ、粗相してはならないと喘ぎながら必死に首を振るナナシ。
これ以上は止めて欲しいと懇願しているが実際のところ逆効果である。
当然アルハイゼンは聞こえない振りをして、更に彼女を追い詰めていく。

「い゛やぁ〜!♡ らめ、らめなのぉ゛!♡ んぃにゃあ゛ぁああああぁっ〜!♡♡」

いよいよ、となった瞬間、ヒクつく尿道をくちくちと舌で嬲ってやった。
決定打でナナシはあられもなくぶしゅ♡と潮を吹く。
一部をわざと浴びたアルハイゼンは、立ち上がり彼女に伸し掛かる。

「濡れてしまった」
「にゃ…ぅ゛…♡ も、しわけ…あり、みゃせ…ぅ♡ 〜〜みぃ゛!?♡」

ぜえぜえと息を荒げながらも、懸命に飛沫を舐め取るナナシ。
丁寧な対応に気をよくした書記官は、しれっとベルトを外すとそのまま挿入し始めた。

「どうした。止まっているが?」
「に、っ゛♡ は、え…っ゛〜〜にゃ゛、へえ゛…っ♡」

涼しい顔でみぢ♡みぢ♡と肉壁をペニスで押し広げるアルハイゼン。
あえてゆっくり進めるのは、この少女が必死にぺろぺろする姿を堪能したいからである。

「あうっ♡ あぅ、はいじぇ…しゃま…ぁ゛♡」
「よくできたな。良い子だ」
「にゃぁ゛っ!?♡ 〜んぐ、ぅうう〜〜!!♡」

奉仕が終わった後の褒美。半分ほどで止めていた肉棒を勢い良く最奥まで突き刺す。
目を白黒させ悲鳴を上げそうになった唇を塞いで、容赦ないピストンを始めた。

「う゛ぶっ、〜っ、っぅ゛!♡ むぐ、ぅぅぅ゛〜〜〜!!♡♡」
「ッハァ…」

酸欠で中が締まり、強制的に何度もイかされたナナシの意識が遠退きそうになった頃。
満足した男の性器がごぷ♡ごぽ♡とえげつない量の精子を未成熟の子宮に注ぎ始めた。

「は、ふ、っ゛♡ みゃう、ぁ…♡ みぁっ?〜あっ〜!?♡」
「まだ終わっていない」

種付けを受けながらぼうっとしていた猫娘が今度はひっくり返される。
うつ伏せになった彼女の細い腰は引かれて突き出す格好になったが、足元は床に届かず宙ぶらりんのままだ。

「み゛っ♡ に、ぃぃ…♡(あし、つかなっ♡ おちんぽ…おちんぽが、ささえて、っ♡)」
「気持ちいいだろう」

重力を分散できず、逞しい腕と刺さったままのペニスだけが彼女の下半身を支えている。
爪先を丸めて悶絶するナナシにアルハイゼン薄く笑い、再び律動を開始した。

「ひにゃあ゛っ!♡ あっ、ぉ、〜っ゛!♡ おぉっっ〜っ〜♡♡」

ごちゅん♡どぢゅん♡と遠慮なく激しいピストンを繰り返され、最早ただの雌猫と化した猫耳メイド。
爪を立てているのでまたテーブル表面の傷が増えてしまう―――しかしこれもまた一興。

「いにゃ゛あぁあああ゛ああっっ♡♡」

枷が緩んでしまったのか、子宮口を抉る度ぷし♡ぷし♡とナナシは潮を吹いた。
アルハイゼンの衣類はもちろん、テーブルの脚も濡れてしまっている。

「ごめ、え、にゃさい゛♡ おもらしっ゛、ごえ、にゃ゛さいぃ゛ぃ♡」
「カーペットも染みになる。またカーヴェに怒られるな」
「っう゛、にぇえ゛♡ ごめ、みゃっ、さ゛♡ 〜〜ぉひっこ、とまん゛にゃいぃ゛ぃ〜♡」

ひんひん泣いて劣情を逆撫でするナナシが、アルハイゼンは好きだ。
自分が正しく生態系に組み込まれる獣であると思い出させてくれる。

「ぉ、っ♡ みゃお、おおぉおっ…〜♡」
「ナナシ」

ぶびゅ♡びゅる♡と一度は射精したのか疑わしい量を出しながら、アルハイゼンは覆い被さりキスをした。
ハートを浮かべたナナシの瞳に映っているのは、常と変わらぬ表情の自分だけ。


「愛している」


それを確認したこの瞬間、彼は正しき獣へと還れるのである。