ラグナロク
2018/07/03
あしたせかいがおわるはじたく(ホモ)(アンサー)っぽい捏造
「それって、おまえをころして、おれもしぬ、みたいなやつかい?」
「まさか」
軽蔑しあって嘲笑うような軽薄だった。
新聞は諦めずに国内の進捗を伝えている。混乱する国民に対する政府の対応が不十分だ、とか、著名人がどのように過ごすかというインタビュー記事、健全な暮らしを続ける人々の素晴らしさ……云々。
「お前を殺して、妻と娘と過ごすに決まっている」
背徳の極みの宣言に王路は微笑んでいる。
手が伸びてきて唇に挟まる煙草を抜き取った。一呼吸。
「放っておいても死ぬ人間をわざわざ殺すような手間をかけるって」
興味深げに輝く黒い眼とかち合い、相手の髪が零れてきて頬をかすめる。
「はじめくんにとって、どういうことなんだろうねえ?」
どうもこうもない。
「ね、でも何時何分って明確な時間はわからないよね?」
「だから?」
「気持ちよくなってる間に殺しそこねて世界が終わったら指さして笑ってあげるよ」
「お前と心中する気は毛頭無い」
「やだな、僕だって露ほどもないよ」