冬の夜明け

2018/07/08

ふゆのあさのはじめくんとおうじたくみ
身体中に鈍痛が這い回って目が覚める。僅かに身動ぐ度に布や肌に擦れ合って響き、入眠を妨げる。水面を低空飛行するように、睡眠に潜りことも出来ず、ただたまに引きずり込まれそうになっては浮上していく意識にため息をついた。
隣に目を向けれぼ、背を向けている男の肩が、規則的に上下する。彼が身じろぐ度に、連動し響いて痛む四肢を引き、顔を覗き込むと暗がりに穏やかな呼吸を繰り返して眠る顔が見えた。悪戯心に火が灯りそのまま首筋と背中を視線を移すと、掻き傷と噛み痣で斑模様を描いていた。残った白い首筋と肩を吸い、赤の花びらを増やして付ける。
起きる気配はないが、かすかに嫌がるように肩をゆする。そのまま布団を抜け出るとひやりと冷えた空気が体をなでた。荷物の中から取り出したアトマイザーを吹き、シャツに腕を通す。もう夜があけるが冬の朝はまだ遠い。もう一眠り出来ることを確認して彼を包む布団と枕を剥ぎ取った。かわりにいつからあるのか不明の幾分重たい布団をかける。ずるりと抜け殻のように、布団と痛む下半身を引きずって扉を開けるとさらに冷えた床に震えた。そっと閉じてからソファに寝転ぶとまだ温もりの残る布にくるまる。

 
homo 
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