オールナイトニッポン
2018/04/09
ドクターのネタ
王路はシャワーを浴びた後、グルグル回る洗濯機を眺めて思案した。
子供のはしゃぐ夜の森、ワンと鳴くカモノハシを探して戻らなかった後輩。日付がかわる前に帰れと言われる30歳児と、三十路男を日付変更前に、家へ帰す責任を負わせてきた大男。職員と入院患者たち。行方不明の夫婦。
泡立って絡まり合いながらまわる思考は少しも綺麗にならずに回り続ける。
少し隣の部屋の気配を探ったが、思考か洗濯物の渦に紛れて聞こえない。濡れた髪をタオルで拭いながら年下の生意気背伸びくんあてにダイヤルした。
ワンコールで出た彼は一言話をしたら電話を切ったので、思わず笑を零してしまう。そのまま、リダイヤルすると呆れたような疑問が飛んできた。
必要か?いつか君がパブロフの犬みたいに僕の名前の着信があったら、先回りして王路さんですよね、何か用ですか、用がないなら切ります、と反射的に零してしまう愉快な日が来るかもしれないからね。
しかして、駆け去ったアイデアは野放しで、定時連絡を始める。起こるかわからない妄想よりもずっと奇妙な現実はのことを紡ぐと彼は押し黙って聞く耳を用意したらしい。
さあ、おしゃべりしよう。