脇机に置かれたボックスに溜まった紙束を見て、もう溜息しか出ない。
なぜ、トイレに席を立った10分にも満たない時間で空だったはずのこのボックスが満杯近くまで溢れかえってるのか。
大方、みんな私が席を立つのを待ち構えて、居なくなった隙に手持ちの領収書を突っ込んだってのは簡単に予想出来る。でもイコールあれでしょ。直接渡せない事情があるってことでしょ。
はあ、と息を吐いてぐるりと室内を見渡せば、それを肯定するかのように誰とも目が合わなかった。くそ。
「#苗字#処理入りまーす。経理監以外からの電話は取り次がないでくださーい」
誰にともなく宣言して会計システムを立ち上げた。