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2022/10/07
.5のお話で申し訳ないんですが、今日投稿された凪砂の写真について、彼女の反応をSSで書きました
SNSに投稿された一枚の衝撃的な写真に私は思わず大きな声をあげた。
「どうしたの?」
叫ぶことが滅多にない私に驚いたのか本を取りに隣の部屋に行っていた彼がバタバタと音を立てながら焦った表情で駆けつけた。
彼を一度見ては驚きのあまり固まる。
固まっている私の様子が変だとわかった彼が不思議そうな顔をする。
「……大丈夫? どこか痛むの?」
彼がゆっくりと近づき、顔を覗き込んできたところで、私は耐えられなくなり片手で顔を覆った。慣れない状況にあたふたする彼。
「な、凪砂くんが、かっこよすぎて」
「……え? 何かあったの?」
私は何も言わずに画面を見せた。
「あぁ、これ。これがどうしたの?」
「凪砂くん、これ、かっこよすぎるよ……?」
指の隙間から彼の顔を盗み見ると、やはりこの彼を思い出してしまいぎゅっと目を瞑ってしまう。
「ふふ、そんなにかっこいい?」
「わ、今は近くに来たらだめ!」
「……どうして?」
いつもの彼なら近寄らないでともとれる私の言葉を聞いたら寂しがるはずだ。それを彼は私がそういう意味で言っているのではないと理解した上で私に近づく。
ふふ、と笑いながら私を抱きしめた彼を未だに見ることができない。そんな私をよそに彼は楽しそうに笑っている。
「君にかっこいいって言われるなら、その顔を今ここでするね?」
「しないで……!」
「どうして?」
悲しそうな瞳でこちらを見る彼に、いつもは負けてしまう私も今はあの姿の彼を思い出してしまって頑なになる。明らかに悪戯をするような顔をしている。
彼の厚い胸板にぐりぐりと頭をあてて弱々しい声で呟く。二人しかいない部屋では彼の耳に届くのに十分な声量だ。
「今なぎさくんのこと見てると心臓止まっちゃうかもしれないから……」
少しだけ黙った彼がしばらくすると楽しそうに笑うから、悔しい私は彼の腰に手を回して強く抱きしめ返した。