ついろぐ!

2021/08/18

???

週末も関係なく研究室に篭っていると気がつくと彼がやってくる。
ふらっと猫のように現れて、私のいつもの仮眠スペースに寝転がりダラダラと過ごすのだ。最初のうちは気を使って話してたりしたけど慣れた今は特に相手をしない。相手も構わないようで、ただソファーに寝転び時を過ごすのだ。
彼は携帯が鳴っても出る様子はない。一人になりたくてここに来ているのだろうか。防衛任務や訓練、ランク戦と忙しい彼の休息の時間なのだろうか。そう考えた私は特に誰かに彼の存在を教えたことはない。週に1-2度ただ部屋に来るだけの関係。ただそれだけ。たまに自分の休憩時間の時に、飲み物を入れて
あげると嬉しそうな顔で受け取るのだ。「いつもありがとうな」
モテるであろう整った顔でそうお礼を言い、飲み物を飲み終えても帰らずにまだソファでくつろぎ、2-3時間ほどで気がついたらいなくなっている。
ある日、基地内の廊下を歩いていると話し声が聞こえた。
「なぁ、お前いっつもどこにおるん?
連絡してもでーへんし」彼の返答が気になって、足を止めてこっそり聞き耳を立てる。
「んー、逢引きっすわ」「そーなん?お前彼女とかおったっけ?」
逢引き、そう言っていて驚く。そんな雰囲気全く出した事もないだろうと。思わず彼の顔を見てしまう。どんな顔で言っているのか確かめてみたくなった。
するといつからこちらに気づいていたのだろう、目があってしまった。盗み聞きしていたのがバレてしまって驚く。彼はにっこり笑って相手に言う「まだ、彼女やないんですよ。そのうちなってくれたらええんですけどね」本気か嘘か、彼の目が教えてくれる。
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