誰にでもスキだらけ
「なあ、ゆり。」
「なーに?哲。」
「最近、伊佐敷と仲が良いな。」
「そーかな?いつも通りじゃない?」
ゆりと付き合い始めて、自分が嫉妬深いなと感じることが増えた。それは彼氏という立場からすると当たり前なことだろう。ただ、野球部のやつらと仲良くしているのを見ると異様に腹が立つ。嫉妬をする。
「おーい!佐原!」
「あ、伊佐敷!どしたのー?」
ほら。分かっている。伊佐敷は何も思っていないし、あいつだって友達として接している。けれど、一度気になりだすとあいつらが会うたび無意識にその姿を眺めては掌を握ってしまう。
「これな。この間言ってた漫画。」
「おーさすが!伊佐敷は読むの早くて助かるわー!じゃあ借りてくね!」
その笑顔も声も、お前の全てが俺のものになれば良いのに。そうやって無邪気に微笑む姿を見れば見るほど、お前が嫌がることばかり考えつく。
スキだらけなお前が悪い
(なあ、ゆり。)
(なに?)
(ちょっとこっちにきてくれ。)
(ちょっと待ってねー!)
(ああ。)
(お待たせ!…どしたの?)
(…ちゅ。)
(?!!!??!!???)
(スキあり)
(ちょっ、哲っ、〜バカッ!!!)