6.5-2 ※入学前の話「前代未聞そのに」


「こんなことは前代未聞ですな」

「マクゴナガル教授にも同じことを言われました」と言おうとしてルルはやめた。
きっと目の前の男は笑うどころかその眉間の間の皺をより深くするだけだと思ったから。

ばっさばっさと落ちてゆく本を痛そうな目で眺めながら、ルルは鼻をひくつかせた。
年月を経たほこりの匂いがする。

「これは・・・上級のものだな」

表紙を認めて、彼は眉間の皺をきつくしている。

「だがしかし、いずれ必要になる。持っておけ」

投げて寄越されたそれを手で挟んでキャッチする。ガラス瓶のような絵が描かれた表紙をパタパタと叩いて、開いてみた。
小さな字がびっしりと並んでいて、目がチカチカする。

「くれぐれも、その教科書を使うまで、途中で脱落しないことだな」
「・・・努力はしよう」
「進級できない懸念もあるな」
「・・・」

失礼にも程があると思ったが、今まで教育という教育を受けたことがないルルには何も言い返せなかった。

「・・・ああ、ほらあったぞ」

そう言ってまた投げて寄越した本を、受け止める。

「ありがとう」
「礼には及ばん」

卒業生が寄付していったという本の山を漁る背中を、ルルはぼんやりと眺める。

「あとは変身学か」

手の中の本の表紙を撫でて、ルルはにこりと微笑んだ。







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ダンブルドアに押しつけry



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