庶民的生活

「二宮って二日目のカレー食べる?」
 ある日のボーダーの食堂にて。一ノ瀬さんから突拍子もない質問が飛んできた。
「食べますけど」
「じゃあインスタント麺は?」
「……それなりに食べますけど」
 そっかそっか、と一人勝手に納得してまたうどんを啜りはじめる。なんなんだこの人。
「いやあ、二宮も俺と同じ人間なんだなあって思って」
「あんたは俺をなんだと思ってるんだ」
「うーん、なんだろ、貴族?」
 思わず吹き出してしまった。あんたもそういうの食べるんですか、と聞けば頷かれる。
「じゃああんたも俺と同じ人間なんですね」
「あはは、そうだな。俺たちおんなじ人間だ」
 なんだか可笑しくなって二人で笑っていた。


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