「お、天戸くん! よっすよっす」
後ろから声をかけられて振り向くとそこには手を振る春日井さんとそれについてくる植竹さんがいた。
「こんちは春日井さん、植竹さん」
「珍しいわね、ひとり?」
「そうなんすよ、個人戦しようと思ったのにみーんなに振られちゃって」
オーバーにやれやれとやってみせる。春日井隊とうちの神峰隊はたびたびランク戦でも戦うことがあって、隊員同士で交流があるのだ。特に春日井さんは俺と同じ銃手だからか俺に結構よくしてくれている。
「じゃあ私たちとやりましょーよ!」
「お、マジすか! やった」
「え、それ私もやるの? いやよ、天戸くんの副作用で私一人じゃあまり当たらないもの。私当たらない弾を撃つ趣味はないから」
植竹さんは相変わらずクールだ。たしかに俺の副作用は狙撃手と相性がいい。相手からしたら嫌なのかもしれない。
「でも植竹さんランク戦のときしょっちゅう俺に当ててくるじゃないですか」
「あなたの副作用が邪魔だから最初に狙うのは当然よ。チームのためだもの」
「ちづるん辛辣! 私は天戸くん好きだよ、顔が良くて不器用だから!」
「うーんそれ褒めてるんです?」
褒めてる褒めてる! と春日井さんは笑っている。春日井さんと植竹さんは一見正反対だけど、だからこそバランスが取れているのかもしれない。
「さ、ブース入ろう! 何本取れるかなー」
「そう簡単には取らせませんって」
「もし私が勝ち越せたら一日私の弟になるとかどう?」
「芹那あなた勝ち越せたことないじゃない」
チームメイトとは違うこの楽しさが、密かに俺の楽しみになっている。