尋問問答

 ねえ、君って異世界とか信じる? え? 非科学的? やっぱそう思うよね、僕もそう思う。え、じゃあなんで聞いたかって? そりゃ……まあ気になったから。あんまり気にしないで。そうそう、それよりもさ、この世の中には科学だけでは解明できないこともあると思うんだ。具体的に例を挙げると……あー、この例は君みたいなタイプには通じないな。うん、幽霊とかさ。僕はわりと信じてるんだけど。あ、じゃああれは? 心。そう、人間の心。あれって臓器としては存在しないじゃん。でも世界に共通認識として確かにそこにあるってことになってる。これって結構不思議なことだと思うんだよね。魂とかもそうだけど、誰も見たことないのにこんなに信じられてる事象なんて滅多にないよ。あー、あとはあれか。神様とか。いや僕ね、無信教なの。神とか胡散臭くない? 宗教も結局何かに縋りたいほど追い詰められた人間とそれを利用して搾取しようとする人間の集まりじゃん。いやいや過激じゃないって。一個人の意見だから真に受けなくてもいいよ。そうそれでね、神様なんてものがもし本当に存在してたとしたらいすぎだと思わない? 日本なんて八百万の神とか言うじゃん。いすぎだよね。そんなにいらないよね。万能な神様を世界に一つぽーんと置いときゃいい話だと思うんだけど、やっぱ神様にもめんどくさいとかいう感情あるのかね。じゃなかったら普通独裁やるじゃん、そんな絶対的な力あったら。火の神とか水の神とか僕だったら分けないね。人間が神に近づきすぎたから人種が分かれたっていう「バベルの塔」って話しあるけど、あれも迷惑な話だよね。言語分けるとか面倒なことすんなよって話。話が脱線したな。とりあえず、みんなの信じる神様ってのがいたら今の現状を見る限り無能だよね。放任主義すぎ。だから僕は神を信じてない。それこそ君の言葉を借りるなら非科学的だし。
 つらつらと僕の変な話を聞かせてしまって申し訳ないね。そうだ。君、仲間は? こんなところに一人で来たの? それはなかなか難しい話だよね。さっきから声出してないのは怖がってるのかな。君の口を塞いだ覚えはないし。さて、と。そろそろ僕も待つのは飽きてきたしこっちから出向こうかな。向こうもきっと僕に会いたがってるでしょ。なんだろうなー、やっぱ背が小さいとなめられがちかな。身長もうちょっと盛って産まれてくればよかったのに。あ、うん! 君はもう用済みだよ。ほら見える? そこの壁さ、マジックミラーになってて。向こうに僕の仲間がいるの。どんな能力者だと思う? 正解は──
「あ、ぁあ゙ うあぁあァあアぁぁああぁ゙」
「ちょっと、かけるの早いんじゃない? ほらもー廃人ルートまっしぐらだよ」
「彩花が合図したんだろう? 僕に非はないね」
「……ま、いっか。必要な情報も抜いたし、他の奴らも殺しに行こっか」


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