現パロ・同棲(in日本)、社会人。
変態千空注意報。千空がこれでもかって程センシティブな発言しかしません。
キャラ崩壊注意。えちちは少しだけ。
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「千空!帰ってきてたんだ。おはよ〜」
「はよ。テメーにしては早いな」
「なんか目が覚めちゃって。・・・なにしてるの?」
「写真の整理」
そう言う千空のスマホを覗き込むと、そこには沢山の私がいた。
たくさんのわたしがいた。私が色んな角度から写されたいっぱいの写真が、びっしりと表示されていた。なななななにこれ。なんで千空のスマホの中にわたしがたくさんいるの。しかも寝顔ばっかり。中には服のはだけた恥ずかしい写真なんかもあったりして、私はたまげた。
「せ、千空、それ・・・なにして」
「だから、写真の整理」
「そうじゃなくて!」
千空がどうしようもないくらい変態だっていうことは分かっていたけれど、ここまでとは知らなかった。これはなに?これは一体なんの写真なの?盗撮したの?それにしても多すぎない?
彼がピントの合っていない写真や全く同じ写真などを選択してゴミ箱にポイしていく様子を、ソファーの後ろから凝視する私。
「そんなの、いつ撮ってるの」
「俺が家にいる時は毎晩、毎朝」
「ど、どうして」
「俺が家に帰れねぇ時のおかずに」
正直者すぎて反応に困る。
確かに千空は今や科学者として世界に名を広めていて、私では想像もできないくらい忙しい毎日を送っている。家に帰ってくるのも月に数える程しかなくて・・・そういう今日も、千空の顔を見たのは二週間ぶり。これでも早い方だ。
彼は昨晩、私が寝静まった頃に帰ってきたらしいから・・・。
「それはもしかして、昨日の夜撮ったばかりのほやほや写真・・・?」
「昨日の夜っつーか、今日の朝な。家に着いたの3時くらいだ」
「あ、そうなの。・・・え、じゃあ昨日から寝てないの?」
「いや、向こうで仮眠取ってきたから。昼間に一時間」
たったこれだけの会話で、彼が毎日本当に大変な生活を送っていることが分かってしまう。小並感。
そもそも千空がまだ日本で科学をやっているのがおかしいのだ。しょっちゅう世界各地に飛んでいくくせに、結局いつも私のいる日本に帰ってくる。以前そのことを追求したら、千空は科学は場所を選ばない、と言った。
でも夢に近いNASAがあるのはアメリカじゃん。そしたら千空は日本にもJAXAがあると言う。いやもうアメリカ行きなよ。私、千空のためなら仕事辞めてでも着いていく覚悟ついてるよ。
と、心の中でそんなことを思う。それでも千空が熱心にスマホをいじり続けているので、私は思わずそれを取り上げた。
「あ、オイ返しやがれ」
「千空、実物の私と画面の中の私どっちが好き?」
「・・・なんだそれ」
確かに、自分でもなんだそれ。慌ててそれっぽい理由を考えてみる。
「だって千空、私の写真でその・・・だから・・・アレやってるんでしょ?」
「アレ?」
「だから、私の写真で・・・」
「ああ。抜いてる」
「ばっ!」
「しゃあねぇだろ、会えねぇ時は写真で済ますっきゃねーんだよ」
大っぴらに言わないでよ。
「・・・写真で満足できるの?・・・本物の私じゃなくてもいいの?」
小さく呟きながら、千空から奪ったスマホの画面を堂々とスクロールしてみる。
その「a」とかいうてきとう過ぎる名前のアルバムに収められた、数多の私の写真。一番最初まで遡ると、高校の時に学校の机に突っ伏して居眠りをしている写真が出てきた。
え?・・・え?・・・・・・え?なんでこんなに昔のデータ残ってんの?わざわざ移してるの?律儀か?それに、こんなに昔から私のことを盗撮してたの・・・?ていうかなんで寝てるところばっかり。恥ずかしい。でも見ちゃう。
「えっちなのは無いんだね。意外」
「ああ、それはこっちのスマホ。専用にしてんだ」
「は?」
一瞬でも千空の純潔を信じた私が馬鹿でした。千空が尻ポケットから出したそれを光の速さで奪い取ると、急いで画面をつけてみてもロックがかかっていて入れない。
これは千空が一つ前に使っていたスマホだ。そういえば指紋認証だった。そうと分かれば、ソファーの後ろから千空の指をガシッと掴んだ。
「オイもっと丁重に扱え、俺の指」
「ねぇどの指?」
「親指と人差し指だったか」
「え?開かないんだけど」
「今は指紋認証無効にしてんだ」
「なんなの?」
パスワード。6桁のパスワード。な〜んで一丁前に6桁で設定してるの。4桁にしてよ、これじゃあ絶対誕生日じゃないじゃん。千空が好きそうな6桁の数字。なんだろ。
二台のスマホをそれぞれ両手に持って頭を働かせていると、千空は呆気なく教えてくれた。
「ナマエの身長体重、端数切り捨てだ」
「は?」
「で、最後に『0』付け足せ。分かると思うが身長センチと体重キロな」
「・・・それっていつのやつ?」
「最新のに決まってんだろ」
何が決まってんだ馬鹿野郎。だいたいなんで私の体重把握してんだ!身長は別にいいけど体重は遠慮しろ!
・・・体重は今朝量ったから分かる。
・・・身長は高校の時から1ミリも変わってない。
「開いたぁ!」
写真アプリを開いた私は、数秒後に後ろから千空の首を絞めた。そこに何が写されていたかは想像におまかせする。
+
「で、結局答え聞いてないんだけど」
「ぜぇ、ぜぇ・・・テメー!俺を絞め殺す気か!・・・マジで死ぬかと思ったわ」
え?血が出てないだけマシだと思う。
え?命拾いした?何言ってんの、別に殺したくないから殺さないんじゃないの。千空がいなくなったら悲しいから殺さないだけ。
首を押さえて肩で息をする千空。私はその隣に座って、さっそく先程の話を蒸し返した。
「ね、千空教えてよ〜」
「あぁ?・・・なんの話してた?」
「実物の私と画面の中の私、どっちが好き?って話」
心底面倒くさそうな顔をされた。千空にぴったりくっついて、クッションを抱きしめる。
「教えて?千空せんせ」
「はあ。・・・どっちも同じナマエだろ?この世における存在媒体が水とタンパク質か、電子かってだけじゃねえか」
「だから、水とタンパク質の私と、電子の私のどっちが好きなの?って聞いてるんじゃん」
「だ〜からぁ!両方ナマエなんだから、どっちも変わんねぇわ!んなもん」
両方、どっちも変わんない?
「千空、それってつまり?」
「あ?」
「どっちのわたしも・・・?」
「あ゛ー、好き好き」
ほとんど私が言わせたようなものだが、素っ気なさ過ぎる愛の言葉に頬を膨らませる。千空は隙を見て私からスマホを奪い返し、すぐに写真の整理を再開してしまった。
元々くっついていたのを、さらに千空の方に詰め寄った。クッションを潰すように前のめりになり、彼の顔を覗き込んでみる。千空はチラっと一瞬私を見たが、すぐに視線を元に戻した。
「せんく、例えば私がバーチャルみたいな存在になっても同じこと言うの?」
「バーチャルだぁ?」
「ほら、だから私の体がその写真の私みたいになって、電気がないと生きられない的な体になったら」
「アレか?人間をデジタル化して命を永久保存する系の話か?」
「え?」
「そりゃ、俺よりどっちかってーとゼノ先生の方が得意そうだな。気になんならメールしてやってもいいが」
「あああ!もう、いいからわざわざそういうの!ゼノ先生にも申し訳ないでしょ!」
私が聞きたいのは!実体の私がいなくなったら千空はどう思うのってこと。
だって、千空が言うにはどっちの私も両方『同じ私』なんでしょ?だから私の実体が無くなっても、千空にとってはどうでもいいってことになっちゃうよ。
・・・って、私、なんだか物凄くめんどくさい人みたいだ。さすがに呆れられちゃった?そんな心配とは裏腹に、千空は至って普通のトーンで衝撃発言をした。
「写真は別にいいが、こっちのナマエがいなくなんのは困るわ」
「ほんと!?」
「あぁ本当だ。テメーの実体が無くなりやがったらセックスできねぇ」
「・・・」
千空先生、あのですね。もっと何かに包んでほしい。オブラートでもアルミホイルでもなんでもいいから。
じーっと目を細めて千空のことを見つめる私。ふと、「こんなもんか」と呟いたかと思えば、彼はスマホを目の前のテーブルに投げた。どうやら写真の整理が終わったらしい。
千空は言った。
「ナマエ、やるか」
「え?なにを」
「セッ」
千空が言い切る前にバッチーンとその口を押さえた。あっごめんなさい。わざとじゃないよ、思わず手が出たの。そのせいで余計に力が入ってしまったけれど。
彼はすぐにその手を掴んできた。
「痛てぇじゃねえか」
「だって、千空が変なこと言いそうな雰囲気出してたから・・・」
「そーかよ。変なこと言いそうな雰囲気出して悪かったな」
「分かればいいの」
「じゃ、セックスすんぞ」
今度は阻止できなかった。だから、せめて何かに包んでって。
そうツッコミを入れようとしたら、千空は立ちあがりざまに上から覆いかぶさってきた。ソファーの背もたれに手をついて、膝の上のクッションを邪魔そうにしながら乱暴にどかすと、どんどん顔を近づけてくる。
「え、えっ、ホントに?」
「こんなんで冗談言うかよ」
そう言うなりキスされた。まずは軽く触れるだけ。二度目、深い口付け。千空の舌が唇を割って中に侵入してきた。
急いで胸板を押すが、彼は一向にやめてくれない。舌を絡めて奥歯をなぞって、好きなように口内を攻めていく。涎を繋げてゆっくりと離れると、あっという間に次の工程に進む千空。
ああ、これもうスイッチ入ってる。今日は平日の疲れをゆっくり癒そうと思っていたのに・・・千空が久しぶりに帰ってきた時は、いつもこうなる。でも、結局は私も体を委ねてしまう。だって久しぶりの彼が心底嬉しそうにするんだもの。
「あぁ・・・?っんだよ、その顔・・・ああクッソ撮りてぇ・・・」
私の中で激しく動きながら、千空は苦しそうに歯を食いしばって、でも笑っていた。なんかわかんないけどたのしそう。せんくう、きもちいい。
そんなことしか考えられなくなった頃、彼はキスをして至近距離から見つめてくる。いつもの行動だ。
「・・・っはぁ、でも止めらんね・・・」
千空は私が果てるその瞬間を、じっくりと目に焼きつけた。
+
時計の針が12時を過ぎる。二人して朝ごはんを食べそびれてしまった。お腹が空いてる感覚はあるのに、私の体は千空の上に跨ったまま素肌の彼にくっついて動かない。ソファー綺麗にしなきゃいけないのに。
「・・・せんく〜」
「あ?」
「・・・目的は分かったけどさ、やっぱりあの写真どうにかならないの?」
「無理」
即答かあ。寝顔は別にいいの。私もやったことが無いとは言えないし。私が言っているのは、えっちな方の写真のこと。千空も多分それを分かった上で、無理だなんて即答する。
「たとえば、テメーが泊まり込みで研究室に来れんなら万事解決なんだが」
「残念ながら・・・平日仕事があるので」
「な?だからこの写真が必要なんだよ。写真がねぇと抜けねぇ」
何度も言うように、包みましょう。
「まあ、ぶっちゃけテメーの顔思い出すだけでも事足りるがな」
「千空は記憶力いいもんね。それこそ写真みたいに鮮明に・・・」
「特にヤってる時の顔とかな。最高よ」
「ばっ!」
「さっきは写真撮りそびれたが、頭ん中にバッチリ収めてやったから安心しろ」
千空をゴミ袋に包んでやろうかな。
・・・たしか部屋に可愛いリボンがあったはずだ。それで縛ったらついでに窒息死させることもできるぞ。よかったね、せんくう〜。