Training camp - in Irupinet Hotel -:Travel companion


一方、4人は引き続き車中で自己紹介をしていた。
合宿地はそんなに遠いわけじゃないのだが、夏の湘南はとかく混みがち。

「よし!じゃあ次俺ね!塩飽謙次、30です!仕事は商社勤務で、こう見えて結構高給取りです!」
「そしてその高給は大体ビールに消え「口を挟むな!マナー違反だぞ、人が話してる時に!えーと、それで?ああそうそう!紫希ちゃんとはさっきも言ったけどスポーツセンターで試合を申し込まれて知り合いました!負けたけど!味方が敵に回ったせいで!」
「だって仕方なくねwあ、俺は小口翔也でーす。年とか紫希ちゃんとブン太君と知り合った経緯はこいつと一緒で、仕事は出版関係です。今回は、休みちゃんと取ってたのに仕事ぶっこまれた、可哀想な黒崎さんの代わりに立候補しました。よろしくお願いしまーす。」
「いつもあの父がお世話になってw」
「まあ結構エキセントリックな人ではあるよねwでもあれで結構会社では愛されキャラだよ?家族ラブなのも好印象に見てる人多いし。」
「そーそー!おじさん良い人じゃんか、千百合っちもなっちんもなんであんな冷たくするのー?」
「「いや、シンプルにうざい。」」
「そこまで言うか!?おい、お前俺が言うのもなんだけどどういう人と仕事してるんだ・・・」
「そんな変な人なの?」
「へ、変・・・ちょ、ちょっとだけ愛が行き過ぎる事があるかな、とは思いますけど・・・」
「そんな良いもんじゃないって・・・何これ。」
「え?マイク!千百合っち自己紹介まだでしょ?」
「えー・・・」

と言いつつ受け取る。
面倒だけど、流石に今回は事実としてお世話になるのだし。それなら自己紹介もしません面倒だからというのはちょっとどうかと思うし。

「黒崎千百合。双子の妹。バンドではベース。よろしく。」
「ちょーっとお待ちなさい!」
「何。」
「えー、小鳥遊ひたき。この黒崎千百合ちゃんに関しては、一つ追加しておかずにはおれない事があるので言わせて頂きます。実は彼女は・・・あの!幸村精市君の彼女です!」

「「幸村精市!?」」

塩飽と小口は大声を出した。

「お?おっちゃんたち何びっくりしてんのー?」
「だって、幸村精市ってあれだろ!中学テニス界でも一二を争うレベルの実力者!」
「中学にしてもうプロの素質ありって言われてるもんね。やべえ、何かファーストレディに会った感あるw」
「ふぁーすとれでぃ・・・?あり?れでぃはあれっしょ、女の人って意味でー、」
「あ、ファーストレディって言うのは・・・」
「まあ放っとけ放っとけw自分で考えてるみたいだし、考えさせよw」
「そ、そうですか・・・?」
「・・・・・・」

千百合はちょっと顔を赤くして黙った。

塩飽も小口もテニスプレイヤーとしての幸村を知ってくれてるのは話が早くて良いが、ファーストレディだのなんだの騒がれたくはない。
事実として彼女なんだからと言われたら否定は出来ないから、何も言わないけど。

「え、待て待て待て!彼女って事はあれだろ、雑誌に載ってない色んな事知ってるんだろ!」
「え、何。確かに知ってることは多いけど、あんまり個人情報ペラペラ話したくないんだけど。」
「いやでも俺も知りたいよー。普段どういう練習してるの?あんなに強いけど、スクールとか行ってた?1年だけど一番強いよね、部長なの?」
「ああ・・・まあその辺の話なら、」
「違うだろ!お前もっと聞くことあるだろ、どれくらいラブレター貰ってるのかとか!」
「そうよ!塩飽君もそう思うわよね、普通はそうよ!」
「お前ら二人は普通じゃないよw」
「私もそう思う。」
「「何!?」」
「いや、それを気にして聞くのが許されるのは学生まででしょw三十路の大人が聞いて良いことじゃ・・・まあ俺も聞きたい事色々今言っちゃったけどさw」
「いや、ああいうのは別に良いですよ。普通に答えます。」
「マジ?じゃあ後で聞かせて欲しいですー。」
「ちょっと、どうしてテニスの事は話すのよ!」
「そうだそうだ!差別反対だ!」
「お前差別って日本語の意味わかってないだろw」

「えーと、ファーストって何だっけー?ファーストファースト・・・あ!思い出した、一番って意味だー!あってる?」
「はい、そうですよ。」
「よしゃ!で?えーと、ファーストレディだから、一番の・・・あ!なるほど、千百合っちはゆっきーの一番の女の子って事か!うん、そーだね!合ってる、あいたっ!!なんで殴るのさ千百合っちー!」
「あっはっはっはっはw」

実は結構な頻度で赤信号に引っかかっているのだが、一行はそんな事全然感じなかった。


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