First RAINBOW FESTA:Rally
その頃、正に話に出されていた浪速組2人は新幹線に乗ろうとしていた所であった。
「ええ天気やなー!」
「今日も暑そうやな・・・お前、荷物それだけなん?」
「ん?ああ。まあ、着替えとかは侑士から借りたらええやろと思てな!」
「そうか、同い年やったな。ええな、年近いと色々便利で。」
「まあな・・・お!駅弁や駅弁!」
「ほんまや!・・・って、昼はあっちでやんな?」
「ちょっとくらいええやろ!あ、ほら!あっちにおにぎりセットみたいなんあるし、分けて食べようや!」
「あ、待て!どうせやったらこっちの、」
駅弁を物色する一氏を横目で見て、謙也は内心で安堵の溜息を吐いた。
(何や今日は比較的元気みたいやな、良かったわ。まあそれでも、顔色は完全に戻ってるわけやあらへんけど。)
まあそれでも、表面上だけでも元気に振る舞えるだけのエネルギーは今日はあるらしい。
この前のオンラインライブでも楽しそうにしていたから、謙也としては現地まで連れていくまでが勝負だと思っていた。
この分だとクリア出来そうだな、と隣の友人が考えているとは知らないで、一氏は駅弁を見つつ今日のことに思いを馳せていた。
(とにかく今日は、今日だけでええから目の前の事に集中しきらな。)
時間だって金だって今日は大きく割くことになるのだから、解決しない事に向かってうだうだ悩み続けるのは得策じゃない。
今日だけ。
今日だけは、努めて頭から締め出そうと一氏は頑張っていた。
こういう事は不思議なもので、最初は無理してそう振る舞っていても、ずっと心がけていると段々それに慣れてきて、本当に元気になってくる。
非日常的な刺激も相まって、今日の一氏はここ最近では一番と思うくらい普通のコンディションに戻りつつあった。
「たこ焼き弁当とかあんねや!一氏、どないや?」
「旅行行くねんから、普段食えるもんをわざわざ選ばんでもええやろ・・・」
「それもそうやな・・・お!餃子弁当・・・は、やめとこか。にんにくあるし・・・」
「にんにくとか別に気にせえへんでええやろ?お堅い場所に行くわけでもあらへんし、」
「そうは言うてもお前、女子に会う確率高いのにからっちゅー話や!」
「え?そこなん?いやまあ、普通に女子はそこらに居るやろけど、」
「そうやのうて、一応今日はビードロズとか侑士のとこのマネジとかに会うやんか!これから友達になろかっちゅー時に、にんにくはどうかと思うやろ!」
「えええ・・・まあ、せえへんに越したことはないかもしれへんけどやな。」
「・・・ちゅうか、俺よりほんまは一氏の方が気にするべきなんとちゃうんか?」
「は?俺?なんで?」
「だってこないだ、あのー・・・ほら、ギターボーカルの・・・五十嵐さん?可愛い言うとったやないかい!」
「・・・ああ。あれか。あれは、まあ・・・うん・・・」
「・・・・?」
「・・・・・・・」
一氏は考えた。
なんて言ったら良いんだろうか。
いや、可愛いと思ったのは本当なんだけど。それも本当だし、今日は是非会いたいのも事実なんだけど。
でも違うのだ。
そういう意味じゃない。
可愛いし会いたいけど、謙也が思ってる理由と大きく違う。
「・・・いやまあでも、そんな大げさな気持ちで可愛い言うたわけやあらへんから。」
「?そうなんか?」
「そう。まあでも、謙也が気になるんやったら止めとこうや!他にもあるんやし!」
「おお・・・?」
?が頭から消えない謙也は、でも突き過ぎてまた暗くなられても困るので、これ以上はもう触らない事にした。
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