Family moments 3:Fate 1
「・・・それで、何か知らないけど私が付き添う事になった。」
『あははははは!』
「笑い事じゃない、マジで怠いんだけど。」
『ふふふ、ごめんね。でも、俺も会ったことがあるけれど、相変わらず愉快なおじさんだ。』
「まあ笑えることは認めるけどさ。」
夕食を終え、千百合は幸村と電話していた。
あまり長い時間は出来ないけど、それはまあいつもの事。
「別に私居なくても良いって言ったのに・・・」
『でも、千百合が居ないとその目が合ったって言う占い師さんが分からないんじゃないかな?タロットを使ってる、っていうだけじゃ他にも居るだろうし。』
「いや、分かるよ。絶対分かるよ。めっちゃ若くて、めっちゃ美人だもん。」
『そうなのかい?でも、そんなに若くて美人の人なら、占いとかじゃなくてその占い師さんを口説きはじめかねないね。』
「それはすると思う。」
『あれ?すると思っていて紹介したのかい?』
「いや、普通は彼氏とか居ると思って。」
『ああ成程、それはそうだね。流石に恋人が居る女性は口説かないだろうし。』
「・・・いや、まあ。それは微妙だけど、まあ。コテンパンに振られたら良いんじゃない、そういう時は。」
手厳しいなあ、なんて言う幸村の声音もちょっと笑っている。
結局、あの叔父は身内内での扱いはそういう感じでしかない。
『占いかあ。』
「興味ある?」
『一度くらいはやってみても面白いかも、とは思うかな。そんなに大切な事は占う気にはなれないけど・・・次に植える花はどんなのが良いでしょうか、とか。ふふっ、小さい事過ぎて占って貰えないかな?』
「えーでも、私もそのくらい小っちゃい事の方が占って欲しい感じする。それかもっとこう漠然とした・・・今年の運勢はみたいな大きすぎる事とか。やるんならね。」
あんまり大事な事を占う気になれないのは、結局のところ千百合も幸村も我儘だからである。
自分で決めたい事は、自分で決める。人にあれこれ言われても考慮に入れないから、占いなんてするだけ意味がない。
(それこそ、サボテン育ててみようかと思うんですけど上手くいきますか、くらいの事で良いな。)
そこまで考えて千百合はやっと気づいた。
そうだ、幸村に意見を聞こう。
としたのだが、丁度その時扉の向こうから、2つ上の従兄弟の友恵の声が聞こえた。
「千百合ちゃーん?大丈夫ー?」
「あ、大丈夫ー。もう出るー。」
「はーい。」
「ごめん、そろそろ出ないといけないっぽいから切るわ。」
『・・・ねえ千百合、聞こうかどうしようか迷って結局今聞くことになってしまったんだけど。』
「?」
『・・・もしかして、お風呂で通話してないかい?』
「ああ、うん。だって、一人になれるの此処かトイレくらいだし。」
何せこれだけ人が居ると、何処に居ようが誰かは近くに居るのである。
でも幸村と電話してるとなると、周りが兎に角放っておかないし、ちびっこ勢は煩いし。
結局落ち着いて電話出来る環境となると、風呂が一番良いのだった。
「大丈夫大丈夫、従兄弟に防水ケース貸して貰ってるから、落としても数分は壊れないよ。」
『・・・・・・』
「・・・え、何。何かまずい?」
『・・・いや、ううん。良いんだ、気にしないで。』
「いや、気になるよ。何よ。」
『本当に気にしないでくれて良いよ。俺が勝手にその・・・兎に角、大丈夫だから。』
「????まあ、良いけど。」
好きな子が電話の向こうで風呂に入っている。
という事実に狼狽えてしまうのは、もしかしたら男子だけの話なのかなあ、なんて幸村が内心で考えていることなど、千百合は露とも知らない。
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