Unearned win 1
週明け。
中間テストは悲喜交々にして終了し、はたと気が付いたら今日は。
今日は、そう。
「おっはよー、紫希ぴょん!」
「紀伊梨ちゃん、お早う御座います。」
昼のバス停に佇む紫希の元に、紀伊梨が駆け寄ってくる。
帽子をちゃんと被って。
タオルと飲み物も持ってる。
「いやー、あむないあむない!蓮が起こしてくれなかったら遅刻しちゃうところだったよー。」
「うふふ・・・良かったですね、起きられて。」
「うんうん!今日は遅刻したら流石に置いてかれちゃいますからなあ!」
比喩ではない。
今日は真剣に置いて行かれる。遊びじゃないから。
「おはよう。」
「おはーw」
「お早う御座います。」
「おっはよー!もー揃っちゃった、はやーい!」
「そらあねw」
皆浮き足立っている。
そわそわする。落ち着かない。
心臓がドキドキと、聞いた事の無い音を立てっぱなし。
「早いですけれど、もう向かってしまいましょうか。」
「うん!そーしよそーしよ!」
「此処に居てもやる事ないしね。」
「落ち着かねえわーw不思議な感覚だw」
「バスいつ?」
「確かもう来ると・・・」
「あ!あれだ!おーい、こっちこっちー!」
「タクシーじゃねえからw止まってくれるからw」
今日は地区予選。
天候は快晴なりや。
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