Solicitation:3rd game 3
「・・・・・・」
「おい、顔色が悪いぞw」
「どーすんのさニオニオのバカバカー!紫希ぴょんがかわいそーだよ、あんな高いとこに登らせてー!」
仁王は今、紀伊梨と、途中で幸村と別れて檻に来た千百合にそれは責められていた。
見上げる館の屋根は、フェンスも何も無く20cmばかりの縁があるだけ。
あんな落ちようと思えば幾らでも落ちられるような所に、高所の苦手な紫希を向かわせるなんて。
「あんた馬鹿なの?女の子なんだから、高い所苦手かもとか思わなかったの?」
「そりゃあ考えには登ったが、流石にこんなピンポイントで当たるとは思わんかったき。」
それに、自分が行くわけには行かなかったのだ。
というか、行けない。あそこは点検口としては歪みが出ている所為で、自分位の身長の人間は通れるか怪しかった。
其処へ行くと紫希なら通れるし。建築に詳しいと聞いて、これ以上ない人選、ナイス自分とさえ思ったのに。
「たるんどる。高い所が怖いなどと、己の弱い心が勝手に怯えているだけではないか。」
「お前は根性論で何でもかんでも片付けようとしてんじゃねえわ。」
「なんだと!」
「やるか?」
「おい、お前らが喧嘩しててどうするんだよ!」
こんな時でも喧嘩に発展する千百合と真田は、流石と言うべきなのかなんと言うべきなのか。
「しかし、これは由々しき事態です。高所の苦手な女性を高所に向かわせてしまうとは・・・」
「まー確かに危なく無いとは言わないけど、今更だからなあ。俺らに出来る事もなくない?」
「・・・黒崎君はあまり動揺して居ませんね?」
「そーだよ!なっちんはへーきなの、なんでー!?」
「ちょっとw俺を人でなしみたいに言わないでw」
「いや、お前は落ち着き過ぎなんだよ・・・」
「桑原までw俺だって動揺は多少したよ、したけどさー。」
「けど?」
「「ブンブン君が居るから大丈夫かなーって。」」
千百合は溜息を吐いて首を横に振った。
「言うと思った。お前と言い紫希と言いさ、丸井に対するその良く分からない期待はなんなのよ。」
「良く分からないとは失敬なw根拠はあるよ、桑原は分かるっしょ?」
「分かるような分からないような・・・」
「なんじゃ、煮え切らんの。俺は想像がつくぜよ。」
「お前より俺の方が、ブン太の事を知ってる分却って良く分からないんだよ。」
「??良く分かんない、桑ちゃんの方が分かってるのに分かんない?」
「だってブン太だぞ?」
皆あの紫希があの紫希がというが、桑原的にはどちらかというとあの丸井が、である。
別に紫希が年下なわけでもなんでも無いのに、あの面倒見の良さはなんなんだろう。確かに女子だけど、それを差し引いても。
「・・・む?」
「どしたの真田っちー。」
「あれは何だ?」
来たか。
仁王と柳生が同時に屋上を見上げた瞬間、ボールが檻に向かって急降下してきた。
「来ます!備えて下さい!」
「当たれ!あれは手じゃ、当たれば逃げられるぜよ!」
屋根の上に丸井と紫希のシルエットが見える。
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