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「・・・私ってもしかして、不吉な女、って奴なのかしらん?」

今日。月刊プロテニスの井上は、神奈川県大会後半戦を見に、神奈川に赴いている。

入れ替わり。
今日の東京都大会後半戦の担当は、小鳥遊。

今日は最初から一人と分かっていたし、予習もバッチリ、何も問題は無い筈よひたき。
さあいざ行かん、都大会会場へ!と赴いたは良いが。

これ。頭の上。
空模様。

(一雨来そうよねー。やだわーもう、私ったら知らない間に雨女になってたって言うのかしら・・・ハッ!恋人居ない歴が=年齢の男は30過ぎると魔法使いになるっていうけど、私もアラサーだから?男は魔法使いになるけれど、女は雨女になるのかしら!?)

合コンではこの事は言わないでおこう、彼氏居た事ないアラサー雨女だなんて知れたら、捕まえられる男も捕まらないわ。
なんて思う小鳥遊は、仕事中であっても結婚に対する焦りから今一つ逃れられない。

「って、こんな事言ってても始まらないわね!ええと?今日見ないといけない学校は、青春学園に、山吹中学校に・・・」




『氷帝学園?』
『そうなんです。時間の都合で少し・・・取材は十分出来たんですが、観戦の方が少し。』
『だから、私が観るって事ね。OK!ええと、注目選手は・・・』



跡部景吾。
イギリスから帰って来た直後、いきなり氷帝学園にやってきたかと思えば、瞬く間に学園の全てを掌握してしまった男。
そのまま男子テニス部も掌握どころか、自分が頂点に立ちその地位を揺るぎないものにした生まれながらのカリスマ。

何よりイケメンである事が小鳥遊をやる気にさせている事は、言うに及ばず。

(美形だったのよね〜〜〜〜!この前の立海の幸村君も美形だったけど、外国人の血が入ってる子はなんというか、種類が違うわよね!プレイを見るのが楽しみだわ・・・)

なんて、半分上の空で歩いているもんだから。

「きゃあっ!」
「う!あたた・・・ご、ごめんね君!大丈夫!」

ぶつかった。
まさか選手では、と思い小鳥遊は一瞬青ざめたが。

「あ、マネージャーちゃんか良かった・・・いや、良くないわ!本当にごめんね、大丈夫!?」
「だ、大丈夫っ!大丈夫ですっ!ごめんなさい、私ドジだからっ!」
「いやいや、今のはどっちかというとお姉さん側のドジだから貴方は気にしなくて・・・って!」

さりげなく「お姉さん」を強調しながら可憐を助け起こす小鳥遊は、可憐の腕章に目を見開いた。
そう、マネージャー陣は必ずしもジャージないし学校が分かる制服を着ているとは限らないので、所属が何処だか一目で分かるよう、学校毎に腕章を付けているのだが。

「貴方、氷帝の子なの?」
「えっ?は、はいっ!」
「うわ、なんてジャストなタイミングなの!ううん、前回の取材日と言い、私、今大会はついてるじゃないやっぱりー♪」
「???」

俄かにハイテンションになる小鳥遊に、可憐は目をパチクリさせる。

「あのっ!何か、うちに御用事ですかっ!」
「ああ!そうね、あのね?私、月刊プロテニスの者で、小鳥遊ひたきっていうの。先日は、うちの井上が取材させて貰っちゃったみたいで、どうも♪」
「ああっ!月刊プロテニスさんっ!あれ?でも取材はこの前終わったんじゃ・・・」
「ええ!でも観戦がちょっと出来なかったから、今日はその辺のレポをね?というわけで・・・」

案内してくれない?
そう言われた可憐が断る理由など、どこにもなかった。


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