For dive 1
こういう時一番早いのは紀伊梨である。
好きな型やイメージが決まってる事が非常に多いからだ。
「これどーかな?」
「あ、可愛いです!」
「ねーねー、これどお?」
「此処の部分着にくいんじゃないの。」
「どすか?どすか?」
「似合うと思うで。」
「こんなのも良いよねーん!」
「紀伊梨ちゃんは躊躇いなく攻めたビキニを選ぶなあ。」
恵里奈はちょっと感心する。
さっきから紀伊梨が持ってくるのは全部ビキニ、それも体のラインがバッチリ出る誤魔化しの効かない物ばかりだ。
(いやでも、まあ・・・)
こうして見ると、スタイルは申し分ない。
顔も美少女だし、服に着られる事等無いタイプだ。
「・・・紀伊梨ちゃん。」
「およ?」
「知り合うたばっかりの私が言うのもあれやけど、ナンパとか気つけえや?」
「つけます、つけます。」
「何時もの事ですから。」
「やっぱり、ナンパとかされるん?」
「ビジュアル良いからね彼奴。」
「特に夏は危ないです。紀伊梨ちゃんがより輝くと言うか・・・紀伊梨ちゃんに似合う季節ですから。」
「ああ、分かる気もするわ。」
どんな季節でも紀伊梨ははしゃぐけど、夏は格別。
大型連休に屋外向けのレジャーが多数シーズンを迎える夏は、紀伊梨にとっては本領を発揮できる時と言っても過言ではない。
「紀伊梨ちゃん彼氏とか居る?居るんやったらその子と離れたら駄目・・・」
「居ないー!」
「ああ、アカンか・・・」
「まあ彼氏は居らへんとしても、彼奴は居るやろ?あの、黒崎・・・もう一人の方の。」
「彼奴も見ては居るけどさ。」
「やっぱりずっと見てるのは難しいです。紀伊梨ちゃん自身がそもそも、あまり危ないと思ってないので・・・」
そういう意味では紀伊梨に彼氏早く欲しいなあと紫希も千百合も思わないでもない。棗は兎も角彼氏が居れば、紀伊梨の方から離れていかないだろうから今よりはきっと気が休まる。
「私が一緒にいられれば良いんですけど・・・」
「紫希は無理よ。体力無いもん、置いてかれるって。」
「すみません・・・」
「せやな。黒崎さんかて、ずっとていうのんは厳しいやろうし・・・ってなると、やっぱり人数でカバーて話になりそうやな。」
「ああ、それは今年は楽かも。」
「今の所、テニス部の皆と一緒にという事になってますものね。」
「それええな。ナンパ防止やったら、女の子より男が多い方が何かと楽やし。」
まあただ、それでも楽になるだけで安心とは言えない。
こういう事は先ず本人の危機意識がとても大事なのだが、紀伊梨はそれが極端に低い。だからその分周りが危機意識を高めていって、周りに守られるものだから本人はますます隙だらけになると言う何とも言えないスパイラル。
「あんな、紀伊梨ちゃん?世の中には変な男とか悪い男がようさん居るから、話しかけられてもついて行ったらあかんで?」
「はーい!」
「口説かれたら無視するんやで?そんなん海で声かけてくる男なんて、まあまず碌なのんが居らへんねんから舞い上がって返事したらあかん。ちょっと良い思いしたら直ぐポイ捨てされてまうで。」
(経験者はかく語りきやな)
「侑ちゃん何か言うた?」
「何にも言うてへんて。」
4/8
[*prev] [next#]
[page select]
[しおり一覧]
1年1学期編Topへ
1年夏休み編Topへ
-