Camp school:Cowardly spirit 1
葉玖戸神社。
此処は今日昼間に後ろから見た、あの神社である。
「にゃんにゃん居ないかなー。」
「ああ、でも居るかもしれません。もしかしたら、この神社に住んでいる事だって・・・」
「あ−、それは確かにあるかもね。」
此処も暗いけれど、皆が居れば気が大きくなる紀伊梨は、まだ猫を探してきょろきょろする余裕がある。今は。
「此処は、そもそもあの伝説に出てきた神社だったね?」
「そうw」
「しかし、神社から逃げた精霊を探しに行くのが目的だったのではないか?神社に行ったとて、ほぼ無意味な気もするのだが。」
「ま、手がかりくらいはあるんじゃね?」
「そうですね。こう言ったことは、まず現場に行ってからの聞き込みです。」
「お前さんの事じゃ、神主に話を聞ける段取りくらいはしとるんじゃろ?」
「ご明察だw」
ご明察だ、とか軽く言っているが。
「あのさ、お前さ!そういう事はさ、自分で交渉しないで俺にっていうか教師にやらせて!?何かあったとき責任の所在面倒なんだから!」
「ごーめん、ごめんw翔ちゃんに頼るより自分でやったほうが早いもんだからw」
「・・・・・・・・」
「あの・・・新海先生、棗君は基本的になんでも自分でやってしまいますので、」
「俺達、ちゃんと先生の事当てにしてますから・・・」
「有難う、春日に桑原・・・気を使ってくれて・・・」
「お話かー!正座とかすんのかなー?紀伊梨ちゃんそんなに長い間出来ないけど!」
「寺じゃないんだし別に良いんじゃない、この場合。」
などと言い合いながら歩いていると、神社の正面が見えてきた。
暗い空。黒い木々に囲まれてひっそりと建つ神社。
さして役に立っているとは思えないぼんやりした灯篭の灯りの向こうから、着流しを纏った細身のシルエットがゆらりと現れた。
「あ。えーと、」
「その声。電話をくれた、黒崎棗君ですね?そして、後ろの方は付き添いの新海先生と学校のお友達。」
年の頃は30前後といったところだろうか。
十分お兄さんと言って差し支えなさそうなその男性は、年に似合わない落ち着き払った微笑みを浮かべて優しく言った。
「初めまして。神主の松風一平と申します、以後お見知りおきを。」
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