Training camp - in Hyoutei gakuen -:Thunderstorm 2




向日の予想は、可憐にはとても迷惑な事ながら当たりつつあった。
いやあ天気が悪くなってきてるせいで涼しいなあ、なんて寧ろ快適さを享受する多くの部員の中、可憐は今来るぞ今来るぞとびくびくし通し。

本日の練習が終わって夕食になる頃には、もう夏だというのにいつになく外が暗く、本格的に来そうになっていた。

「・・・・・・」
「大丈夫、可憐?」
「ひゃいっ!え、何がっ!?ごめん、何っ!?何か言ったっ!?」
「あ、い、いや、こっちこそごめん、大した用事もないのに・・・」
「重症ねー。」

何が始まる前から泣きそうになっている可憐に、周りも何かしてやりたいと思う気持ちは山々なれど、具体的にどうしてやる事も出来ず。

「もうさ、食べ終わったら誰かと一緒に部屋に居なよ!」
「そうそう、電気点けて明るくしといてさ!用事があったら他の人に頼んだら良いじゃん?」
「うん、そうする・・・」

可憐は、練習が終わったら今日は絶対割り当てられた部屋から出るまいと心に誓った。







「おおお・・・」

ピシャアアアアン!
と豪快な音を立てて落ちる雷に、向日は夕食の皿を運ぶ足を思わず止めた。

窓から見える外の世界では早くも次の雷が光っている。これはきつい。予想よりきつい。

「岳人、どないしたん?」
「ああ、侑士。いや、外がよー。」
「外?」
「雷すげーよなーと思って。」
「ああ・・・まあ、跡部の話もあったし。そもそも今日までが悪天候の予想で、明日まで解決せえへんからイギリスは中止になったんやろ?」
「あ、そっか!」

そうだった、最初はそういう話だっけ。すっかり忘れてた。

「でもまあ、確かに雨は降ってへんとはいえきついわ。」
「だよなー!停電とかすっかな?」
「あり得る強さやな。」
「マジ?」

大丈夫か桐生の奴、という向日の呟きを忍足の耳が拾う。

「可憐ちゃんがどうかしたん?」
「いや、彼奴さー。何か雷苦手らしいんだよなー。」
「・・・雷。」

それは初耳。

「でも、今まででも雷の日くらいあったやろ?」
「日中は我慢出来るんだと!ほら、泊まりってなると夜じゃん?暗い夜にゴロゴロピシャーン!ってなると、もう耐える自信がないみたいな雰囲気の事言ってたぜ?」
「ああ・・・まあ確かに、雷雨の夜を学校で過ごすていうのは、日中とは違うてくるな。」

日中は例え天候が荒れていたとしても、なんだかんだ明るいのだ。例え停電したとしても、ライトなしでお互いの顔が普通に見えるくらいには。
ところが夜はそうではない。おまけに家ほどはリラックス出来ないだろうし。まあ、人数が居るのは救いだろうか。

「大丈夫やろか。」
「ま、彼奴も自衛するだろうし平気じゃねーの?部屋に籠りっぱなしで友達にひっついてれば良いんじゃん?」
「まあ、せやな。そこまでしとければ大丈夫やろうけど。」

ただ。
可憐は、ドジ属性に隠れがちだが、実はそれとは別にそこそこの運の悪さを誇るので。
だから「多分」大丈夫というのは、結構な確率で大丈夫じゃない事態に陥りがちなんだよなあ・・・とは忍足も向日も思った。口に出すと現実になる気がしたので言わなかったけど。


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