Training camp - in Hyoutei gakuen -:Thunderstorm 2
それから1時間ほど経った頃だった。
可憐はパジャマパーティーで気を取り直すことに成功し、電気は時たまちらちらしつつもなんとか持ち、後30分で消灯だから、もうさっさと歯磨きとかトイレとか済ませてしまおうと連れだって洗面に行った。
その帰りであった。
「あ!」
「何?」
「どーしたの?」
「私、さっき歯磨き粉洗面に置いてきちゃった・・・!」
ここは廊下の真ん中。
丁度部屋と手洗いの中間地点くらいの距離。
「明日にしたら?」
「うーん、でも明日の朝も歯磨きはするんだから、放っておいてる間にどこかに行くと困るわよ。」
「わ、私さっと取ってくるっ!」
「行けるの?もし途中で停電になったら?」
「だ、大丈夫スマホは持ってるからっ!これを落とさなければ・・・ライトにもなるし連絡も出来るしっ!」
「そう?」
いや。別に可憐の言ってることは間違ってはいないのだが。
でもそれはそれとして、本当に大丈夫なのかどこかに落とし穴ないか、と他3人は思ってしまう。
「でもまあ、それなら・・・」
「いい?可憐ちゃん。もしホントに停電になったら、連絡して何処にいるか知らせてね。迎えに行くから、動いちゃ駄目よ?それでなくても停電の時の一人行動は危ないし、折角今4人居て、2:2に別れられるんだから。」
「わ、分かったっ!」
「じゃあ、私ら先に戻ってるから・・・」
「うんっ!行ってきますっ!」
そう言って遠ざかっていく可憐の背中。
「・・・・・・何か。」
「なあ。なんだろう、この言い知れぬ不安感・・・」
「・・・まあ、私たちは待機してましょ!ほら、いざ連絡が来た時にこっちが動ける態勢でないと余計に危ないわ。」
「確かに。」
「戻っておくかー。別に停電になるって限ったわけでもないしね・・・」
「「・・・・・・うん。」」
金町の発言に、網代も新城も自信を持ってうん、そうだねとは言えなかった。
「ええと・・・あ!あったあったっ!」
可憐が元の洗面所に戻ると、やっぱり自分の歯磨き粉はそこに行儀よく鎮座したままだった。ああ良かった。此処に無いとなると別の問題が発生してしまう。
さて。後はじゃあ、用事もないので戻るだけだが。
「・・・・・・」
消灯時間は22時である。
その時間になると、誰が何処に居ようが電源は落ちる。夜遊びに出かける人間を防ぐために、廊下の人感センサーも切られてしまうし。
万一洗面や手洗いに居る時に消灯に食い込んだら困るから・・・と思って早めに寝支度に来た結果、可憐は今ここに一人である。他には誰も居ない。皆「まだ寝ないし」と思って他の所に居るのだ。
(は・・・早く戻ろうっ!ぐずぐずしてたって良いことないしっ!)
そう思って踵を返した時だった。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ピシャアン!
と一際大きい音がしたのと、バツン!と音がしたのは同時だった。
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