Training camp - in Hyoutei gakuen -:How to grow
「zzzzzz・・・」
「芥川ー。起きろー。」
「食わないと明日がもたな・・・いや、もつか。」
「もつだろ。動かないんだし。」
「・・・で、終わったらもう寝てるんだよね。」
「本当にマイペースっていうか。」
「芥川君って本当にテニスの時以外起きないんだなあっ。」
夕食時。
別テーブルに一応ついてはいるもののちょっと箸をつけたらもう寝ている芥川を、可憐達マネジ陣は別テーブルから眺めながら食事を進める。
あの後試合は進行し、結局結果としては6-3で芥川の負け。
しかし負けとはいえ3ゲームも分捕っており、見ていたギャラリー勢はあの跡部から「コテンパンにされない」だけの芥川の実力をまざまざと目にしたのであった。
「しっかし、実力あるあるって言われてはいたけど・・・」
「本当にあそこまでやれると思ってなかったよねっ!強いのは知ってたけど、びっくりしちゃったよっ。」
「百聞は一見に如かずってやつ?何か皆も一気に、芥川の態度についてはもう良いみたいな空気になったよね。」
これは立海にも言えることだが、実力主義で話をすると多少態度に難ありでも見逃される事が多い。
元々その体で芥川は居眠りを大目に見てもらってきたわけだが、今回の件で「彼奴本当に見逃して貰えるほど強いの?」という疑惑を一気に払拭できたわけだ。跡部はこれをわかっていて皆に見せたのだった。
もっとも、見逃す方向に舵切りして本当に良かったのかなあという若干の迷いは、珍しくもまだ跡部の中にちょっと残ってたりもするのだが。
「とりわけさー。」
「えっ?」
「ボレーだよね、凄かったの。」
「それ思った!ボレーめっちゃ上手いよね、芥川!」
「そ、そうなのっ?」
今可憐と話している2人のマネジは、2人とも軟式ではあるがテニス経験者なのでこういう事が見ていて読み取れるのである。
(ボレーかあ・・・)
「・・・何か、芥川君がボレーが得意って意外かもっ。」
「いや、マジで意外よ。」
「キャラじゃないよねー。とても信じられないわ。普段がああなのに・・・」
「「ねー・・・」」
言いながらテーブルに視線を向ける3人。
ボレーというのは、テニスのショットの種類の中でもかなりハイリスクハイリターンである。
コートの前に出て、コートにバウンドする前に叩いて返す。
と、言うだけは簡単だが、実際はネットに近づいてプレイするため、返球来たと思ったら即座に対応して返さなくてはいけない。
兎に角スピード感を持ってのリターンが要求されるため、臨機応変さに加えて高い機動力と素早さ、相手に飲まれない勢いが必要なショットである。
そしてそのいずれも、ああしてあっちのテーブルで机に突っ伏して眠りこけている今の芥川に備わっているようにはとても見えない。
「ボレーが得意なら、これからボレーヤーとして伸びていくのかなあ、とかって思うんだけどっ。」
「ボレーヤーとして伸びる・・・」
「あのやる気のなさで・・・いや、やる気はあるっていうのは今日分かったんだけどさ。」
何せこの男、睡魔に対して余りに脆弱なのだ。
今のところ、勝利出来るのは跡部くらいのもの。
確かに強いのはよくよくわかったが、それを差し引いても流石にもうちょっとどうにかすべきでは・・・と思ってしまうのはしょうがない事ではないだろうか?
「ボレーヤーってもっとアクティブなイメージ。イメージだけど。」
「あっ、でも私も思うよっ!」
「わかるわかる。っていうか、実際そういう人多くない?」
「多いのかなあ。」
「それなら感化されてくれないかなっ?なんて・・・」
「「無理じゃね?」」
「やっぱりっ?」
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