惜しみなく
3「精市。」
幸「あ、あった。」
3「は?」
幸「ごめん、なんでもないよ。どうしたんだい?」
3「いや、借りてた辞書返しに来ただけなんだけど。ありがと。」
幸「ああ、そのことか。どういたしまして。」
3「・・・で?」
幸「?」
3「それだけ?」
幸「好きだよ。」
3「・・・・・・・・あのね、それじゃなくて。」
幸「違うの?」
3「違うに決まってるでしょ・・・じゃなくて!あった、って今言ったじゃない。」
幸「ああ、それか。実はこの前五十嵐に何か苦手な物はないのかって聞かれて。」
3「精市に?苦手なもの?」
幸「そう。ゲームかな、って俺は思ったんだけど、俺はゲームが下手な内には入らないらしくて。」
3「そりゃそうよ。」
幸「でもあったから、あった、って口から出てしまったんだ。」
3「何?」
幸「今目の前に居るよ。」
3「・・・・私?」
幸「うん。」
3「精市、私の事苦手なの。」
幸「うん、とびきりね。」
3「・・・・・・因みに何処が。」
幸「ううん・・・例えば横顔とか。」
3「横顔。」
幸「そう。横を向いてるって事は、俺の方を向いてない・・・俺の方を見てないって事になるだろう?」
3「まあ。」
幸「今緊張してない顔してるなって思うと、つい目を奪われてしまうから。」
3「・・・・ん?」
幸「それと同時に、こっちを向いて欲しいっていう気持ちも出て来てしまうから、何時も困るんだ。」
3「ちょっと、」
幸「ああそれから、千百合は棗に良く「黙れ」って言うよね。あれも苦手なんだ。そのうち俺も言われたらどうしようかって。」
3「いや、あれは、」
幸「黙ってしまったら俺の気持ちを伝えられないだろう?だから言葉で表現出来ない分行動に移しそうで、ちょっと自分が怖いんだよ実は。」
3「だから、」
幸「後、幸村、って名字で呼ばれるのも苦手だな。嫌とかでは無いんだけど、精市って呼ばれる時の声色の方が好きだから、名前で呼び直してくれないかな、ってつい強請りそうになる。」
3「あの、」
幸「まあとどのつまりは、俺の苦手な物は千百合と少しでも距離が開く事かな、って。」
3「・・・・・・そう、です、か。」
幸「可愛い。」
3「あのねーーー」
幸「大好きだよ。」
3「〜〜〜〜〜〜!」
(愛は与えても与えても与えたりない)
(もう少し控えめにはしないのw)
(棗、風船に空気を入れ続けたらどうなると思う?)
(はいはいw)
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